U2『The Joshua Tree(30th Super Deluxe Edition)』
1987年にリリースされた、u2のアルバム『The Joshua Tree』。バンドが生んだ傑作であり代表作でもある作品だが、2017年に30周年記念エディションがリリースされた。ワタシが持っているのは、CD4枚組のスーパーデラックスエディションだ。
実は、CD4枚のうち2枚は2007年にリリースされた20周年エディションと重複している。ディスク1のオリジナル盤とディスク4のBサイド集がそれで、どちらも2007年のリマスター盤が適用されている。ディスク3は2017年にリミックスされた6曲で、インダストリアルなアレンジは『Achtung Baby』からのサイバー路線を思い起こさせる。
というわけで、目玉はディスク2。1987年に、ニューヨークのマジソンスクエアガーデンで行われたライブの音源だ。『I Still Haven't Found What I'm Looking For』は、終盤のサビからボノはボブ・マーリーの『Exodus』を歌った。この曲は終盤にも収録されているが、このライブではなく教会でゴスペルコーラス隊と共演した音源だ。『Exit』では、自分たちの『Gloria』ではなく、ヴァン・モリスンのを歌っていた。
ボノは、ほぼ全曲で演奏前に曲名を告げていた。終盤には『Party Girl』を演奏していて、この曲はオリジナルアルバムにもベストにも未収録で、彼らの最初のライブアルバム『Under The Blood Red Sky』にのみ収録されているという、極めて特異なポジションを占める曲だ。観客による合唱は1度や2度ではなかったが、なんとこの曲でも起こっていた。
スーパーデラックスエディションは、ブックレットの写真集が充実している。長年U2を撮り続けているアントン・コービンだけでなく、ジ・エッジによる写真集も。どちらもアルバム制作時の1986年頃の撮影で、20代半ばのメンバー4人は若々しい。ジ・エッジの方は装丁が豪華で、そして今回のリリースにあたり序文を寄せている。
このエディションは2017年6月にリリースされたが、それに先駆けて5月から『The Joshua Tree』を全曲演奏するツアーを始めていた。このときの来日公演はなかったが、今年2019年12月、13年ぶりとなる来日で全曲演奏が実現する。
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