「細野晴臣 NO SMOKING ノースモーキング」を観た
細野晴臣が今年デビュー50年を迎え、アニバーサリーイベントが目白押しだ。先月は恵比寿ガーデンホールで3日に渡るイベントが行われ、六本木ヒルズでは「細野観光」と題された展示が約1ヶ月間行われていた(11月4日で終了)。そして、ドキュメンタリー映画「NO SMOKING」が公開中だ。
冒頭がパイプをくわえたダグラス・マッカーサーの写真で、観て「ん?」と思ったが、終戦の2年後に細野が誕生したという流れだった。エイプリルフールからはっぴいえんどとしてプロ活動を開始し、ソロを経てymoに。やや駆け足気味ではあったが、細野のキャリアが次々に繰り広げられる。
合間に細野本人のコメントがあり、交流のあった人のインタビューも挿入される。そして、近年の精力的なライブ活動も組み込まれている。40年ぶりに実施したという、2016年の中華街でのライブ、ロンドンやブライトン、ロサンゼルス、ニューヨークといった、海外ツアーの模様。ロンドンのライブには高橋幸宏と小山田圭吾が加わり、演奏中に坂本龍一も加わるという、奇跡のような瞬間が。別の公演では、水原希子と佑果の姉妹が加わっていた。
テレビやラジオなどメディア関連の映像も、思った以上に適用されていた。テレビ東京「モヤモヤさまぁ~ず2」、BS「イエローマジックショー」のオフショット、星野源のラジオ番組にゲスト出演したときの模様など。星野はこの作品のナレーションも務め、中華街ライブにもゲスト出演し、細野とはまるで師弟のような関係だ。
個人的に見応えがあったのは、海外ツアーの映像だ。YMOにもサポートとして参加していた高田蓮や、元サケロックの伊藤大地などをバンドメンバーとして従え、ステージに立つ姿はカッコいい。客は日本人ばかりかと思いきや、現地の人も結構いた(フラワー・トラベリン・バンドのTシャツを着たおじさんもいた)。ロスの公演は、なんと今年だった。
前半こそ細野の半生を総括するような構成だったが、中盤以降は現在の細野の活動に軸足が移行。現在72歳の細野だが、残された時間は少ないとか、そうした終末感はなく、まだまだこれからも活動を続けて行くのだという描き方になっていたのがよかった。そうこなくっゃね。
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