ライド(Ride)『Nowhere (25th Anniversary Edition)』
ライドのファーストアルバム『Nowhere』が、2015年に25周年記念エディションとしてリリースされている。CD+DVDというパッケージだ。
日本語解説は1枚紙のみで、アンディ・ベルが監修したというブックレットのコメント対訳がないのは残念。そのブックレットには、当時のメンバーのモノクロ写真と、『Today Forever』の鮫ジャケ(ココだけカラー)が確認できる。
CDはオリジナル11曲に加え、末尾にEP『Today Forever』の4曲が追加されている。恐らくリマスター処理がされているとは思うが、聴いていて音質が飛躍的によくなったという実感はない(聴く環境にもよるだろうけど)。
注目はDVDだ。1991年3月の、ロンドンにあるタウン&カントリークラブというライブハウス(今もあるのかな)での公演から、16曲を収録。画質は荒く、また画面を(「ガチョーン」のように/古)前後させる処理も多発していて、決して見やすいとは言えない。全体的に暗めで、ステージ上のメンバーを正面または向かって右から捉えるときはカラー、真横のアングルやフロアのオーディエンスを捉えるときはモノクロ、という加工がされている。クレジットによると、オーディオのミックスはマーク・ガードナーが手がけている。
当時21~23歳のメンバー4人は、当然ながら若々しい。マーク・ガードナーは髪を前に垂らしていてアイドル的でもある。初期のライドはシューゲイザーと位置づけられているが、靴を凝視するようにうつむきながらギターを弾くことはほとんどなく、前を向いて歌い演奏している。曲はだいたいが原曲の通りコンパクトな仕上がりで、ライブ用に拡大アレンジされているのは『Nowhere』くらいだ。『Vapour Trail』が前半で演奏され、オーラスが『Seagull』というセットリストは、今観ると結構新鮮だ。
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