キング・オブ・コメディ(1983年)
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ロバート・デ・ニーロ マーティン・スコセッシ, ロバート・デ・ニーロ
テレビのトーク番組の人気司会者ジェリー・ラングフォードにあこがれる、コメディアン志望のルパート・パプキン。ジェリーが楽屋口から車に乗り込むところを、熱狂的なファンを制しながらどさくさにまぎれて車に乗り込み、ジェリーに自分を認めてもらおうと取り入る。
ジェリーはパプキンをうざく感じつつ、やんわりと断る。しかし、パプキンはジェリーの事務所や別荘にまで押しかけてしまい、はっきりとジェリーに拒否される。パプキンはジェリーの熱狂的ファンであるマーシャと共謀して、ジェリーを誘拐し監禁。パプキンが番組側に出した解放の条件は、自分を冒頭に出演させることだった。
途中まではパプキンの困ったちゃんぶりばかりが際立っているが、ジェリー誘拐を経ての番組でのトークでクライマックスを迎え、ここで流れは大きく変わる。
パプキンは、今夜ジェリーが来られないのは自分が誘拐したからだと話し、客はもちろんジョークのつもりで爆笑。しかしこれが事実を言っているだけというからくりが実に上手くできている。収録後にパプキンは逮捕~実刑となるが、服役中に執筆した回想録がベストセラーとなり、釈放された後はコメディアンとして復帰するという幕切れだ。
番組は夕方に収録され、オンエアはその日の23時。パプキンは収録後にFBIに身柄を拘束されるが、逃げないから少しだけ時間がほしいと言い、あこがれている女性が働くバーに行き、そこでテレビをつけて自分が番組に出ていることを彼女に見せる。自分の晴れ姿を好きな女性に見せたいという心情には、共感できるものがある。
パプキンは、ロバート・デ・ニーロ。過激な役どころだけでなく、悲哀漂う中年男性をも演じられることを証明している。監督はマーティン・スコセッシで、何作目かになるデ・ニーロとの黄金コンビだ。
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