マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)『Generation Terrorists (20th Anniversary Edition)』
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最終更新日:2023/10/15
Manic Street Preachers マニックス
マニック・ストリート・プリーチャーズが1992年に投下したデビューアルバム、『Generation Terrorists』。2012年に20周年のデラックスエディションがリリースされている。CD2枚プラスDVDというパッケージだ。
ディスク1は、オリジナルアルバムのリマスター盤。ディスク2はほぼ全曲(18曲中16曲)のデモ音源を収録し、最後にはデビューシングル『Suicide Alley』をはじめとするインディーズ時代の音源が付加されている。
注目は、計180分にも渡るDVDだ。9曲のPV集は、うち7曲はふつうに出回っているものだが、『Repeat』『Nat West-Barclays-Midlands-Lloyds』の2曲はニッキーが兄と一緒に監督した初出の映像。実験的で手作り感に溢れていて、大衆受けはしにくいだろうが貴重な映像と言える。トップ・オブ・ザ・ポップスをはじめとする、BBC出演時の映像も貴重。若く荒々しい4人の姿が確認できる。
映像の目玉は、このエディションのために収録されたと思われる、『Culture, Alienation, Boredom And Despair』と題されたドキュメンタリーだ(タイトルは『Little Baby Nothing』の歌詞から引用)。スタジオと思しきところでジェームス、ニッキー、ショーンの3人がバンド結成からデビュー、アルバム『Generation Terrorists』の位置づけなどについて語り、時折ライブ映像が挿入されるという構成。別撮りで、マネージャーやプロデューサーも当時のバンドの動向やレコーディングの様子などを語っている。ライブで客が10~20人しかいなかったとか、恐らくはどのバンドでも通過するであろう出来事を彼らも体験していた。
初来日のことにも言及している。息巻いたあげくアルバムはさほど売れなかったのに、空港には数100人の出迎えがいてびっくりしたとか。後ろにボン・ジョビでもいるのかと思ったら自分たちのファンだったと、冗談混じりに言っていた。ライブは2000人超満員だったとニッキーが言っていたが、クラブチッタで1100人程度のはずなので、これは記憶が増幅されている(でも、そう言ってもらえているのは嬉しい)。『Motorcycle Emptiness』のPVは渋谷でゲリラ撮影されているが、これはバンド側が日本のファンの熱狂ぶりに感激して急遽撮影に踏み切ったのではないだろうか。
これらの映像には、当然ながらリッチー・エドワーズのインタビューやギターを弾く姿なども収められている。もちろん、92年の時点では誰も知る由もないのだが、95年に失踪してしまい現在は法的に死亡判定されてしまっている事実を知った上で観ると、やはり切ない気持ちにさせられる。
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