ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)『Secret World Live』
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最終更新日:2019/08/16
Peter Gabriel/Genesis ピーター・ガブリエル, ファンタスティック・ビースト
ピーター・ガブリエルが1992年にリリースしたアルバム『Us』に伴うツアーより、1993年にイタリアのモデナでおこなわれたライブが映像化されている。
『So』のツアーはシンプルなステージセットだったが、今回は色々と凝っていて、映像としての見応えは格段に向上した。オープニングは電話のコール音なのだが、やがてステージ上の電話ボックスの中にピーターがいることがわかり、受話器をマイクに見立てて『Come Talk To Me』を歌い出し、この掴みだけで引き込まれる。
バックドロップには楕円形のスクリーンに映像が流れ、ステージからはアリーナ中央に花道が突き出ていて、その先に円形のセンターステージがある。ハンドマイクではなくヘッドフォンマイクをつけて、歌いながらステージ上を闊歩するさまはお馴染みだ。
バンドメンバーは『So』のときとほぼ同じと思われるが、今回はバックヴォーカルの女性が加わっている。原曲のケイト・ブッシュやシニード・オコーナーのパートを担うこの人、実は後にソロアーティストとして成功するポーラ・コールだった。時期的に、このツアーに帯同したときはデビュー直後くらいだったようだ。
アンコールの『Secret World』では、センターステージが上部から白いドーム状のカバーで覆われ、まさに曲名を体現するような秘密の世界を彷彿とさせる。花道に置かれたトランクが開き、メンバーがひとりずつトランクに入り、(エレベーターになっていて)トランクの中に吸い込まれるようにして退場していく。「ファンタスティック・ビースト」より20年以上前に、コレをやっている!メンバー全員が吸い込まれたところで、ピーターはトランクを閉めて持ち歩き、ステージを後にするという演出だ。
このモデナのライブから約半年後の94年3月に、来日公演が実現している。ワタシは武道館まで観に行き、これが初にして唯一のこの人のライブ体験になっている。しかし、日本公演はステージセットが大幅に縮小され、電話ボックスもシークレットドームもなかった。更には、ピーターの来日もこのときが最後で、当人はその後も現在まで活動しているものの、来日は実現していない。
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