ピンク・フロイド(Pink Floyd)『永遠 コレクターズボックス』
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Pink Floyd ピンク・フロイド, レッド・ツェッペリン
2014年にリリースされたアルバム『The Endless River』は、ピンク・フロイドとしてのラストアルバムだ。邦題は『永遠(TOWA)』となっている。
内容は、実は1994年リリースの『The Division Bell/対』のアウトテイクを元にレコーディングし直したもので、純粋なオリジナルアルバムとは言い難い。言ってみれば、レッド・ツェッペリンの『CODA/最終楽章』に近い性格のアルバムだろうか。
このような体裁になっているのは、キーボードのリチャード・ライトが2008年に亡くなっていて、この人に捧げられているからだ。これがラストアルバムでツアーも行わないとデイヴ・ギルモアが公言しているのは、自分とニック・メイソンだけでフロイドを名乗るのは違うという思いがあるからだろう。
収録曲のほとんどはインストで、初期の音響系だった頃のフロイドを思い起こさせる。しかしながら、全編を貫くのはギルモアのギターで、ロジャー・ウォーターズ脱退後のフロイドの路線は継承されている。2006年にはシド・バレットが、2013年にはフロイドのジャケットの大半を手がけたストーム・ソーガソンが亡くなっていて、 この2人にも捧げている意味合いを含んでいると思う。こうした情報を仕入れて聴いているためか、どことなく物悲しく、終末感に包まれた曲調に聴こえてしまう。
ワタシが所有しているのは、 DVD入りのデラックスエディションだ。そのDVDだが、6曲の映像はすべてスタジオでのレコーディング風景をモノクロにしていて、プロモーションでもメイキングでもなく、制作の様子をただただ捉えたものになっている。なんと、6曲中4曲はアルバム未収録だ。音源も6曲収録されているが、うち3曲はアルバム未収録だ。かなり変則的だ。
ディスク以外では、カラーフォトブックレット、ポストカードが同梱。日本盤ブックレットには、アルバム解説のほか、レコード会社の歴代ディレクターのコメントが付加されている。実はDVD『驚異』に収められているものの流用だが、今回一部加筆されている。『原子心母』『狂気』の邦題が秀逸すぎて、その後のディレクターには高いハードルになったとか。 本作の『永遠(TOWA)』は、バンドの最終章ではあるがフロイドは永遠不滅であることを示そうとしていていると思う。
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