メリー・ポピンズ(1964年)
ロンドンに住む、厳格な銀行家のジョージ・バンクス。妻は女性参政権運動に熱心で、子供のジェーンとマイケルの世話は乳母に任せていた。新しい乳母を募集する広告を2人の子供が考えるが、ジョージは破り捨ててしまう。しかし、その紙片が暖炉の煙突を通って空に舞い上がり、翌日メリー・ポピンズがバンクス家にやってくる。
ジェーンとマイケルは当初メリー・ポピンズに反発していたが、あっという間に子供部屋を片付け、何でも出てくる大きなカバンを使い、公園に連れ出しては大道芸人バートも合流して一緒に絵の中に入り、と、次々に不思議な経験をして、すっかりメリー・ポピンズのことが気に入ってしまう。
時代を感じさせるセットや画質ではあるものの、1964年の時点で実写とアニメの合成を成り立たせているのは、さすがディズニー。そしてストーリーも、ドタバタ劇の要素を備えつつ、バンクス家の人々にとって何が大切かを気づかせるような持って行き方になっている。
メリー・ポピンズは、若くて美しいだけでなく、時には厳しく接することもあり、そしてほんとうに大事なことは自ら直接は伝えない。が、気づいた本人たちは、それがメリー・ポピンズのおかげだとちゃんとわかっている。子供たちやジョージをそれとなくねぎらうバートも、結構ポイントだ。
メリー・ポピンズを演じるのは、ジュリー・アンドリュース。本作が長編映画デビューとは思えないハマりっぷりで、アカデミー主演女優賞を受賞。翌年には「サウンド・オブ・ミュージック」にも主演している。
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