ピンク・フロイド(Pink Floyd)『狂気 コレクターズボックス』
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2011年からスタートした、ピンク・フロイドのアーカイブシリーズ。その第1弾は、バンドの代表作でありビルボードチャートに長年に渡りランクインし続けた『The Dark Side Of The Moon』。日本人にとっては、『狂気』の邦題の方が馴染みが深い。
パッケージは6枚組になっている。ディスク1は、本編のリマスター。ディスク2は、収録曲と曲順を同じくするライブ音源。ディスク3はDVDオーディオで、複数パターンのリマスター版が収録。ディスク4は、映像を収録したDVD。ディスク5はブルーレイで、ディスク3と4のDVDとほぼ同じ内容。ディスク6は、アラン・パーソンズによるミックス版と、未発表テイクやデモテイクだ。
ディスク2のライブは、1974年にウェンブリーで行われたライブで、今回が初出。個人的には、ディスク6の後半に聴き応えがあった。ヴォーカルのある曲のインストバージョンだったり、ピアノオンリーのシンプルなバージョンだったりと、完全主義バンドのフロイドの「途中」を垣間見た気がしたからだ。『The Hard Way』は日用品のみを使った演奏でアルバムを作ろうとした『Household Objects』の音源だが、結局このプロジェクトは頓挫している。
ブルーレイ収録の映像は、正直微妙。ライブ映像はわずか。ほかはイギリスやフランス、アメリカツアー映像と題されていたが、ライブシーンはあまりなく、イメージやPVをまとめた、言わばプロモ集になっていたからだ。
あとは2003年制作のドキュメンタリーで、メンバーやスタッフがアルバムに対する思いや、当時の状況についてコメントしている。しかし日本語字幕未対応で、ブックレットの対訳を見ながら映像を見るのだが、対訳はすべてのコメントに対応していない。一方で興味深かったのは、ヒプノシスのストーム・ソーガソンのインタビューが、フロイドの4人とほぼ対等に収録されていることだ。プリズムのジャケットを手がける元ねたとして、エジプトのピラミッドを撮影しに行ったとか、貴重な証言が聞けた。
ディスク以外では、豪華ブックレット、モノクロの写真集、チケットやバックステージパスのレプリカなどが同梱。特製マフラーや特製コースターは、使用できない。特製ビー玉は、これもアートなのか。
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