シド・ミード展に行ってきた
秋葉原のギャラリー「アーツ千代田3331」で開催されている、シド・ミード展を観に行ってきた。個人的には、映画『ブレードランナー』『エイリアン2』のデザインを手がけた人として知っていたが、本来の肩書きは「ビジュアル・フューチャリスト」というそうだ。
10時オープンと思い込んで10時20分過ぎに到着したが、オープンは11時だった。中学校校舎のギャラリーの中に入り、階段に誘導されて列に並ぶ。時間になると10人ずつ区切って入場となり、あらかじめチケットを持っている人が前に、当日券をその場で購入する人が後ろにと振り分けられた。入場までは結構待つが、入場してからはゆったりと展示物を観ることができた。
もともとは、アメリカ自動車メーカーのフォードでカーデザインを手がけ、退社後は近未来的なデザインを次々に世に送り込む。このようなキャリアから、展示物の序盤に未来的なクルマの原画が並んでいることに納得。やがてSF映画が台頭してくると、ハリウッドはミードのデザインに注目しはじめたとのことだ。
中盤は、未来都市や宇宙ステーションなどの原画となっていた。制作年の多くが1970年代で、今から40年前にしてこの未来志向のデザインを描けるのかと、驚愕させられた。ただ、よく考えると当時のこの人は30~40代で、デザイナーとして脂がのっていた時期に当たるのではと思われる。
ここまでは撮影OKだったが、続いて撮影NGのエリアにさしかかる。それもそのはずで、この人の代表作ともなるハリウッド映画のデザイン原画が目白押しだからだ。『M:i:III』『エリジウム』『2010年』『スター・トレック(1979年版)』、そして『ブレードランナー』『ブレードランナー2049』。圧巻はやはり『ブレードランナー』で、ロサンゼルスの街並みやデッカートが乗っていたスピナーなど、映画のイメージがノウリニよみがえってきた。
ミードの仕事の約3割は、日本のクライアントからの依頼だったそうだ。『YAMATO2520』『∀ガンダム』がその代表格で、どちらも90年代のアニメ作品になる。どちらも日本人が手がけてきたヤマトやガンダムとは少し異なり、ヤマトは未来的な(もとのヤマトはどこかに戦艦大和の面影が感じられる)、∀ガンダムはテッカマンに近いイメージだと思った。ココは、一部は撮影可能になっていた。
シド・ミード展は当初5月19日(日)まで開催予定だった。しかし今日の公式アナウンスにて、6月2日(日)まで開催延長とのこと。
関連記事
-
ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』
近未来。ケイスは、かつては電脳空間に没入(ジャックイン)して情報を盗み出す凄腕のハッカーだっ
-
『別冊映画秘宝ブレードランナー究極読本&近未来SF映画の世界』を読んだ
『ブレードランナー』の35年ぶりとなる続編『ブレードランナー2049』公開に際して発売された
-
『ブレードランナー ファイナル・カット』をIMAXで観た
SFカルト映画の傑作、ブレードランナー。オリジナルは1982年公開だが、2007年に『ファイ
-
シド・ミードさん死去
シド・ミードさんが、昨年12月30日に亡くなられた。86歳だった。 シド・ミードさんの
-
ブレードランナーLIVE@オーチャードホール
スクリーンに映画を流しながらオーケストラが生演奏する、シネマコンサート。興味はあったが、つい
- PREV
- 2019年4月ー5月 ロンドン旅行まとめ
- NEXT
- けいおん!