ロード・オブ・ウォー(2005年)
ウクライナ出身のニューヨーク移民ユーリ・オルロフは、レストランでのマフィア同士の銃撃戦に偶然居合わせてしまい、それから銃を売りさばく武器商人になることを志す。戦争の起こるところに出没しては武器を売るが、やがて冷戦が終結。旧ソ連に大量の武器が余っていることに目をつけて入手し、それを内戦が起こっているアフリカの国を中心に売りさばく。武器を保有する国の政治的実力者と取引して次々に商談を成立させる一方、インターポールからも目をつけられることに。
ユーリはニコラス・ケイジ、ユーリが武器商人の相棒に起用した弟ヴィタリーはジャレッド・レト、ユーリをマークするインターポールの捜査官はイーサン・ホークが、それぞれ演じている。ニコラス・ケイジやイーサン・ホークは安定の演技だが、注目はジャレッド・レトだ。ここでは兄ユーリに振り回されドラッグに溺れ、と、結構損な役回りだ。しかし「ダラス・バイヤーズ・クラブ」が転機となり、以降は怪演ぶりが際立っている。「スーサイド・スクワッド」のジョーカーや、「ブレードランナー2049」のウォレスなどだ。
ユーリには、実在する複数の武器商人がモデルになっているそうで、ストーリーも架空のようでいて架空ではないらしい。物語の終盤では主人公が窮地に追い込まれるのだが、なるほどというひっくり返し方で形勢を逆転。それは同時に、強大な軍事力を有する国家への痛烈な皮肉になっている。
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