くるみ割り人形と秘密の王国(ネタバレあり)
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最終更新日:2022/08/13
ディズニー キーラ・ナイトレイ, ヘレン・ミレン, モーガン・フリーマン
19世紀(と思われる)のロンドン。母を亡くし心を閉ざしていたクララは、母が残したクリスマスプレゼントの金属製の卵型容器を受けとる。鍵がないため容器を開けることができずにいたが、クリスマスパーティーで訪れた叔父ドロッセルマイヤー宅にて、鍵を見つけて追いかけるうちに不思議な世界に迷い込む。
そこは、「花の国」「お菓子の国」「雪の国」「第4の国」からなる秘密の王国で、これらの世界を作り上げていたのが母だった。クララはプリンセスとして迎え入れられ、マザージンジャーが支配する「第4の国」の反乱によって、王国が危機に直面していることを知る。
「くるみ割り人形」は、チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽として有名だが、その原作となる童話があるとのことで、この作品は童話の実写映画化になるそうだ。また、劇中に登場するくるみ割り人形は、クララが秘密の王国に足を踏み入れたときの門番をしている男フィリップ大尉で、人形が命を吹き込まれたように人間化し、彼女に忠誠を尽くす従者となる。
雪景色に包まれたビッグベンをはじめとするロンドンの街並みと、優雅で立派な城を中心にした秘密の王国は、共に雄大な空間を表現していて、CGのクオリティの高さが素晴らしい。また、クララやそれぞれの国の摂政がまとう衣装も、豪華で美しい。2D上映だが、映像としての美しさは決して3Dに劣ってはいない。
異世界へと紛れ込むくだりは、『ナルニア国物語』や『アリス・イン・ワンダーランド』を思い起こさせる。ストーリーは、いちおう後半にかけて逆転劇があることはあるが、中盤の展開で読めてしまった。終盤でもうひとひねりあったら、より引き締まったと思う。
キャストは、クララにマッケンジー・フォイ。現在18歳とのことで、大人びてはいるが時折少女の表情も覗かせる。序盤は母のいない寂しさをなかなか払拭できずにいたが、秘密の王国に行ってかああらは芯の強さを見せる。『インターステラー』で主人公クーパーの娘マーフの幼少期を演じていた娘とのことで、今後の飛躍が期待できる。
お菓子の国の摂政シュガー・プラムをキーラ・ナイトレイ、第4の国のマザージンジャーをヘレン・ミレン、クララを見守る叔父ドロッセルマイヤーをモーガン・フリーマンが、それぞれ演じている。若き主人公の脇をベテランが固めてバックアップするプロットは、個人的に結構気に入っている。
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