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ユリイカ 2016年12月号 特集=『ファンタスティック・ビースト』と『ハリー・ポッター』の世界 を読んだ

ユリイカ 2016年12月号 特集=『ファンタスティック・ビースト』と『ハリー・ポッター』の世界

文芸雑誌ユリイカで、の特集本を読んだ。実は出版は2年前で、映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』公開、および書籍『ハリー・ポッターと呪いの子』の邦訳版出版にリンクしてのものだった。

冒頭はファンタビ関連。監督のデヴィッド・イェーツやといった主要キャラクターのインタビューだ。デヴィッド・イェーツは、映画ハリポタ8部作のうち後半4作を監督している。原作に描かれている場面のいくつかは、映画ではどうしてもカットせざるをえなかったが、ファンタビには原作はなく、J.K.ローリングが自ら脚本を手がけているので、一層楽しめるはずと自信を覗かせていた。

ハリポタはイギリス国内が中心だったが、ファンタビはいきなりイギリスを飛び出してニューヨークへ。エディ・レッドメイン演じるニュート・スキャマンダーは魔法動物の研究家であり、この人が書いた本が後々ホグワーツ魔法魔術学校の教科書になっているという、ハリポタシリーズとの関連も覗かせる。

しかしながら、この特集においてファンタビ関連の情報は十分とは言い難い。というのも、映画公開直前のタイミングで、あまり書き過ぎるとネタバレになってしまうので、情報を絞りつつ読む側に期待感を抱かせる構成に留めたのだろう。

というわけで、フォーカスはもっぱら『ハリー・ポッター』の方へ。邦訳を担当している女性へのインタビューや、ハリーとヴォルデモートとダンブルドアの因縁についての考察、ハーマイオニーを筆頭に副学長やベアトリクス、ロンの母親などの女性キャラクターすなわち魔女についての考察などだ。映画と同等に、原作を取り扱っているのが興味深い。映画第1作『賢者の石』が公開されたとき、書籍の方は『不死鳥の騎士団』が出版されていて、以降の書籍を読むときはキャラクターの描写では演じた俳優の顔が浮かぶというのは、わかる気がする。

人種にかかるシリアスな記述もある。J.K.ローリングは映画に対しイギリス人俳優を起用することという条件をつけたことになっているが、実際はアジア系の少女もいる。また、舞台になった『呪いの子』ではハーマイオニーを演じるのが黒人女性になっていて、これがかなり論議の的になったそうだ。しかしJ.K.ローリングは肌の色はどこにも言及していないとぴしゃりと言い放ち、映画でハーマイオニーを演じたは彼女との写真を公開して、どちらもハーマイオニーと批判の声に対しやんわり反論したとのこと。

ハリポタシリーズに類似する、ファンタジー小説や映画の紹介もある。『指輪物語』~『ロード・オブ・ザ・リング』~『ホビット』は当然として、『ナルニア国物語』『ライラの冒険』など。内容を知らないゆえに挙がって意外に思ったのは、『ネヴァー・エンディング・ストーリー』『ゲド戦記』などだ。『ナルニア国物語』は3部作のうち2作まで観ていて、再見すると共に完結篇も観てみたいな。

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