(実写映画)ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章
原作は1987年以来30年以上に渡って連載され、現在は第8部に差し掛かっている『ジョジョの奇妙な冒険』。アニメも、この10月から第5部が始まっている。そして昨年、第4部の実写版が劇場公開されている。今回、自宅で観てみた。
マンガ原作の実写化については、イメージと違う、表現が陳腐化されたなどの批判がつきまとうが、この作品もそれらの批判から免れたとは言い難い。原作を知らなければもっとすんなり受け入れられるのかもしれないが、原作を読みアニメも観ている身としては、どうしても脳内で比較しながら観てしまうし、結局今作についての満足度は高くならなかった。
キャスティングは、山岸由花子の小松菜奈以外はハマっているとは思えなかった。山崎賢人はツッパリというよりお坊ちゃんのイメージがあって、リーゼントが似合わっていない。伊勢谷友介もダーティーなイメージが強いので、承太郎には合わない。神木くんの広瀬康一はまずまず。観月ありさの仗助の母は悪くはないが、この人こんなにセリフ棒読みだったっけ。
個人的に最も不満だったのは、ストーリー展開が遅すぎることだ。約2時間の枠において、出だしから片桐安十郎との対決までに半分の時間を費やしていて、遅い遅い。そこまでじっくり描くべきところだったのだろうか。最初の20分程度で安十郎や間田や小林玉美の辺りまでダイジェスト風にさっさとやってしまって、重ちーがやられて吉良の存在を匂わせるところで終わればよかったのに。ここでは、なんと虹村形兆を倒すのがキラー・クイーンで、エンドロールの合間に吉良をちらつかせている。こっちは逆にはしょりすぎだ。
虹村兄弟と父との関連性は原作通りだが、安十郎が父の暴力に耐えかねて父を含む家族を殺害するというプロットがあり、また仗助の祖父良平は仗助にとっては父代わりも同じで、つまり裏テーマとして「父と子」があるようだ。でも、そうしたのはなぜ?必然性ある?という疑問は拭えない。
さんざんダメ出しばかりしてきたが、スタンドバドルのCG描写のクォリティーがまずまず高かったのはよかった。
タイトルには「第一章」と付与されていて、評判もしくは興行成績が良好であれば続編を、とのことらしい。しかし、これ続編作られるかな?
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