ジョジョの奇妙な冒険 第6部: 空条徐倫 ―『石作りの海』(ストーンオーシャン)
2011年のアメリカが舞台で、単行本のカウントが1からになっている(ジョジョシリーズ連番も併記されている)。現在の副題は「ストーン・オーシャン」。空条承太郎は、アメリカ人女性と結婚し娘がいたのだが離婚。その娘徐倫は、罠にはまって刑務所に入れられてしまう。承太郎は徐倫を刑務所から出そうとするが、スタンド「ホワイトスネイク」にスタンド能力と記憶を抜き取られてしまう。
ホワイトスネイクの本体は刑務所付神父のエンリコ・プッチで、徐倫を罠にはめた張本人。そして、真の狙いは承太郎をおびき寄せることだった。プッチは第3部の頃のディオと交流があり、ディオが目指していた計画を受け継ぎ、完成させるために承太郎の記憶が必要だったのだ。
シリーズ初の女性主人公、そして第5部では序盤にほんのわずかだけ登場していた承太郎が、娘を救う父という立場で再登場を果たす。中盤までは刑務所内の攻防で、徐倫がスタンド発現し、敵との戦いの中で何人かは味方となり、やがて真の敵の存在(プッチ)が明らかになる。
プッチがディオの意思を継ぎ完成を目指したのは、「天国へ行く」「幸福を目指す」こと。そのために「時を加速させる能力」を完成させてしまい、徐倫も承太郎も壮絶な最期を迎えてしまう。時を加速させた結果宇宙が一巡してしまうという、まるでデビルマンやエヴァンゲリオンのような壮大な展開になっているのだ。ジョジョ第1部が始まったとき、ここまで行ってしまうとは、いったい誰が予想できただろう。
主人公がラス前に死んでしまうという仰天の展開ながら、最期は少年エンポリオの活躍によって落ち着くところに落ち着き、感動のラストを迎えている。がしかし、ここまで約2世紀に渡って繰り広げられてきた、ジョースター一族の血縁は、ここで途絶えてしまったという寂しさも残る。
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