ジョジョの奇妙な冒険 第5部:ジョルノ・ジョバァーナ
第4部から2年後の2001年、今度はイタリアが舞台。承太郎の命を受けた広瀬康一が、ある男の身元確認のためローマに到着。その男とは、母親が日本人、そして父親がディオという、ジョルノ・ジョバァーナだった。現在は、「黄金の風」という副題がついている。
ジョルノは幼少時に出会ったギャングの生きざまに感銘を受けていて、ギャングとしてのしあがることを目指し、組織の幹部ボルボのテストに合格してブチャラティのチームに入る。承太郎や康一が出てくるのはほんの序盤だけで、その後は第5部で初登場するキャラクターのみでの攻防となる。
出だしこそやや微妙だったが、ジョルノがボルボを自殺させ、ブチャラティのチームでボスから娘トリッシュ警護の任を受ける辺りから、俄然面白さが加速した。チームのメンバーはみなスタンド使いで、それぞれに役割を担い、それぞれに個性があり、またそれぞれに過去を抱えてギャングになっている。
今回のラスボスは組織の頂点にいるディアボロで、二重人格者でもあり、また時を飛ばすスタンド「キング・クリムゾン」の使い手でもある。ディアボロが娘を殺すと知ったブチャラティはディアボロを倒す決意をし、ジョルノたちも共鳴。そして彼らに手をさしのべたのが、なんと第3部に登場していたポルナレフだった。
ポルナレフはスタンドを生み出す弓と矢を独自に調べるうちディアボロに行き当たり、敗れはしたが「キング・クリムゾン」の謎を掴みかける。年を重ねたということももちろんあるが、第3部ではお調子者だったポルナレフが、ここでは若い世代を導く役を担っており、アブドゥルやイギー、花京院の死が無駄ではなかったと思わせてくれる。
第5部はとてもテンポがよく、スピード感に溢れている。主人公ジョルノは、ディオの息子でありながらジョースターの血もひくという特異な血統にあって、抱く野心こそディオ譲りだが、モラル面はむしろジョースターの方を受け継いでいるように思える。
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