ゴーストライター(2011年)
元英国首相アダムの自伝を担当することとなった、ゴーストライター。アダムが滞在するアメリカの孤島に赴き、取材をしながら原稿を執筆。しかし、前任のゴーストライターは事故死を遂げているほか、取材を続けるうちにアダムの過去に不審な点が浮かび上がってくる。
ゴーストライターをユアン・マクレガー、アダムをピアーズ・ブロスナン、アダムの秘密の鍵を握る人物をトム・ウィルキンソンが演じている。監督は、『チャイナタウン』『戦場のピアニスト』などのロマン・ポランスキー。劇場には公開初日に観に行ったが、ワタシが行った回は満員だった。サスペンス調で個人的には楽しみにしていた作品だが、正直言って単館系の性格が濃い作品と思っていたので、満員というのには驚いた。
アダムの謎が明らかになるのがかなり終盤大詰めの方なのだが、そこまで緊張感が切れることなく展開されていくのは見事。そして、表舞台に立つアダムや夫人と、影の存在でしかないゴーストライターとの立ち位置のコントラストもよくできている。公式サイトで再確認したが、ユアン・マクレガーが演じていた主人公には名前がなく、「ゴースト」となっている。
そのユアン・マクレガー、なんかハリソン・フォードに似てきたなあと思った。似てきたというのは、アクションから性格俳優までこなす懐の深さのことを言っている。『スター・ウォーズ エピソード1』で大役を射止め、以降はハリウッドを代表する俳優のひとりになったが、『トレインスポッティング』『ヴェルヴェット・ゴールドマイン』といったサブカル的な作品の頃を思うと、感慨深いものがある。
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