*

ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)『And All That Could Have Been』CDとDVD

ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)『And All That Could Have Been』CD

が2000年前後におこなった「The Fragile」ツアー。この模様が、ライヴCDとDVDでリリースされている。

まずはCD。通常盤と初回限定盤の2種類があって、ワタシが手にしたのは限定盤の方。コチラは、ボーナスディスク付きの2枚組になっている。通常盤と共通のディスク1は、2000年に行われたツアー各地の音源を選りすぐって編集されたライヴ。日本のファンにとっては、2000年1月の来日公演を思い起こさせる内容になっている。

しかし、ワタシがハマっているのはボーナスディスクの方。全9曲のうち既発の4曲はリミックスバージョンで、残る5曲はなんと新曲。どの曲も静かで淡々としていて、それでいて透明感に溢れている。『The Fragile』のディスク1のラストからディスク2へと繋がって行く部分を拡大したような音作りになっている。ハードでノイジーなサウンドがナイン・インチのパブリックイメージなら、この透明感はもうひとつの隠れた魅力になっているのだろう。

ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)『And All That Could Have Been』DVD

続いてはDVD。「The Fragile」ツアーは2000年1月の日本公演やオーストラリアの野外フェスBIG DAY OUTを経て、4月からはアメリカを横断。トレントは計20箇所全てのライヴを撮影し、ツアー終了後に自ら編集したのだそうだ。ワタシは日本公演の初日を観たが、凄まじくかつ感動的なライヴだった。トレント自身も同じような手応えを掴んでいたようで、このライヴを形として残したかったのだろう。

DVDは2枚組になっていて、ディスク1はライヴ前半から中盤。ディスク2は後半から終わりまで、及びスナップ写真とおまけ(ライヴ中の映像を担当したスタッフによる解説)という具合。映像も音質も驚くほどにクリアで、そして臨場感に溢れている。

ライヴは単一の公演を通しで映したものではなく、各地の公演から選りすぐって編集。なので、曲の途中で衣装が変わっていることもしばしばだ(笑)。中盤の『La Mer』以降でのスクリーン映像は日本公演のときとは異なっていたが、曲順から、ライトの閃光から、そしてトレントの動きから、あの日あのときのことを思い起こさずにはいられない。

そして、ディスク2で『Head Like A Hole』の途中、カウンターが11分19秒になったところで「7」+「Enter」を押下すると、「Beneath The Surface」という隠しメニューを導き出すことができ、隠し映像が楽しめる。とりわけ圧巻なのはマジソンスクエアガーデンでのパフォーマンス映像で、『Starfuckers, Inc.』の途中でマリリン・マンソンが登場しトレントとデュエット。そして『The Beautiful People』へとなだれ込む。後に決裂してしまった2人だが、蜜月関係にあった時期を思い起こさせる共演だ。

関連記事

スーパーオーディオラウンジでナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)『The Downward Spiral』を聴いた(2006年3月)

2006年3月、銀座ソニービル8Fのソミドホールで行われた、スーパーオーディオラウンジというイベント

記事を読む

ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)『Beside You In Time(DVD)』

ナイン・インチ・ナイルズのDVD『Beside You In Time』を観た。アルバム『W

記事を読む

ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)『Closure(DVD)』

その過激な内容ゆえか日本盤化は叶わず、海外盤も現在は入手困難な状態に。しかし、ナイン・インチ

記事を読む

ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)、フジロック’13への日々を収録したドキュメンタリー映像公開(2013年8月)

2013年、フジロックフェスティバルにて4年ぶりに活動再開し、その後各地のフェスティバルでヘ

記事を読む

CROSSBEAT Special Edition ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)を読んだ

クロスビートのムック本シリーズで、8月にソニックマニア/サマーソニックで来日するナイン・イン

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑