ユリイカ 2014年5月号 特集=マーベル映画
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最終更新日:2024/08/06
トピック スパイダーマン, ティム・バートン, ヒュー・ジャックマン, マーベル
2014年、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』公開にリンクして、青土社の月刊誌『ユリイカ』がマーベル映画を特集した。ワタシは、出版から4年経った今年にやっと読んだ。
当時の最新作『ウィンター・ソルジャー』を軸にしつつ、映画化作品のみならず原作のコミックスにも言及、映画との設定の違いにも触れている。スクリーンやDVDなどで映像として情報を受け取ることはできても、その背景やウラ事情などはわからなかったので、興味深く読ませてもらった。マーベルコミックに並ぶアメコミとしてDCコミックがあるが、こちらにも言及しており、マーベルとの対比もおこなっている。
この時点で、スパイダーマンがシネマティック・ユニバースに加わる可能性を示唆していたのには恐れ入った。スパイダーマンはソニーピクチャーズが権利を持っていて、後発のマーベルスタジオが権利を獲得するのは、もう少し後のことだ。『アメイジング・スパイダーマン』が2作で終わってしまったのも、こうした事情からなのだろう。
スパイダーマンだけでなく、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『ドクター・ストレンジ』『ブラックパンサー』も加わってくるのではと予見している(もっとも、この時点でマーベルスタジオは制作に着手していて、関係者筋では情報が入手できていたのかも)。そして、スーパー・ヴィランのサノスについても触れている。
『X-メン』もマーベル・コミックスなのだが、映画については20世紀フォックスが権利を持っているとのこと。ヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンは、もともとは中心キャラではなかったそうだが、映画で人気が出てしまったのだとか。こちらは、現在でもシネマティック・ユニバースに合流する気配はない。
スパイダーマンが日本に馴染みが深い理由として、池上遼一作画のマンガや、特撮ヒーローとしてテレビ放送されていたことにも触れている。当時、日本に権利をオープンにしていた時期があったのだとか。個人的にはマンガ版は読んでいないが、テレビ版は観た記憶がある。自ら敵と戦い、後に敵が巨大化すると巨大ロボットのレオパルドンに乗り込んで倒すというプロットは、当時の戦隊ヒーローものを踏襲している。
最初のヒーロー映画として1978年公開の『スーパーマン』を挙げ、その後試行錯誤を経て1989年のティム・バートン版『バットマン』になり、21世紀にデジタル技術が確立されたことでヒーロー映画が乱立するようになったという考察は興味深い。『ハワード・ザ・ダック』がジョージ・ルーカス監督作品でありながら興行的に惨敗し黒歴史になっていること、『ブレイド』『ファンタスティック・フォー』『デアデビル』など、他の単体のマーベル作品にも言及している。
マーベル・シネマティック・ユニバースは、各ヒーローが単体の作品で活躍しつつ、他の作品とも少しずつつながり、そして『アベンジャーズ』として集合する。何せ作品数が多いので、途中から入っていくのは結構大変だが、追いついてしまえばこの世界観を存分に楽しめる。個人的に、最初のうちは関与せず、スタートは『アイアンマン3』で、劇場に観に行くために『アイアンマン』『アイアンマン2』をレンタルで補完していた。
アベンジャーズでは、ヒーローが活躍する母体組織として「シールド」があり、敵対する組織に「ヒドラ」がある。この2つの組織の誕生は『キャプテン・アメリカ』の中でされているので、シネマティック・ユニバースの母体はキャプテン・アメリカではないかと見ている。『ウィンター・ソルジャー』でも、ニック・フューリーやブラック・ウィドウ、マリア・ヒルといったシールド所属のエージェントが活躍するので、特集本を出版するタイミングとしては頷ける。
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