リンカーン(2013年)
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最終更新日:2021/04/12
スティーヴン・スピルバーグ
南北戦争で北軍を率いるリンカーン大統領は、戦争の早期終結のため合衆国憲法の修正案可決を目指す。その修正案とは、黒人の奴隷解放だった。修正案の議会可決を目指し、リンカーンの腹心たちは所属の共和党のみならず、民主党の票集めに奔走する。
時間軸としては、大統領に再選したリンカーンが修正案を可決させて南北戦争を終結、その直後に暗殺されるまでの4ヶ月間を描いている。票集めのための部下の駆け引きがメインで、はっきり言って非常に地味な内容だ。リンカーン自身が、際立った活躍をするわけでもない。例の有名な演説も時間軸では作品が始まる前らしく、冒頭はリンカーンと対話する兵士が演説を復唱する場面になっている。
リンカーンを演じたダニエル・デイ=ルイスは、特殊メイクをしているとは思えない、ナチュラルな表情で怪演している。夫人をサリー・フィールド(『アメイジング・スパイダーマン』のメイ叔母さん)、長男ロバートをジョセフ・ゴードン=レヴィット(『インセプション』『ダークナイト・ライジング』『ルーパー』)、共和党急進派議員にトミー・リー・ジョーンズ、というのが主なキャストだ。
リンカーンは歴代大統領の中でも常に人気上位らしく、リンカーンを描いたり演じたりすることはアメリカ人に強く訴えるらしい。しかし、その感覚がワタシには今ひとつピンと来ていなかったのと、南北戦争やその背景についての知識を持ち合わせていなかったためか、「地味な内容」と称することになってしまった。
ストーリーよりも気になったのは、各キャラクターのドレスアップが見事だったことだ。リンカーンに限らずみなスーツやコートを着こなしていて、俳優陣だけでなく衣装デザインが優れていることと思う。さすがはハリウッド。そしてダニエル・デイ=ルイスは、本作でアカデミー主演男優賞を受賞している。
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