コーン(KoRn)『KoRn3:Remember Who You Are』
コーンは2010年にアルバム『Korn3:Remember Who You Are』をリリース。本来ならこのアルバムはバンドにとって9作目に当たるのだが、「3」としているのは、ファースト『korn』セカンド『Life Is Peachy』に続くという意味で、プロデューサーもこれらを手がけたロス・ロビンソンを起用している。ドラマーは、オーディションを経てサポートとしてツアーに帯同したレイ・ルジアーが、そのまま正式メンバーになった。
とはいえ、聴いてみると、単純に原点回帰を目指したわけではない。デビュー時とは、メンバーの年齢も違えばアーティストとしての習熟度も違うし、若さと勢いが溢れる初期2枚と肌触りが違ってくるのは、ある意味当然。ただそれでも、ここ何作かにあった電子音導入をはじめとする実験的な要素は薄くなり、ストレートなヘヴィーロックを体現している。バンドが狙った原点回帰は、技術以上に、初期衝動のスピリットを各メンバーの奥底から呼び起こすことではなかっただろうか。
初回盤に同梱されているDVDを観ることで、更に原点回帰の意味が伝わってくる。宇宙や自然といったCG映像を組み込みつつ、コメントの一切ないレコーディングの模様を編集して作ったスタジオライヴなのだが、迷いがないというか、直球でエモーショナルなさまがびしびし伝わってくる。ジョナサンは全力を注ぐような熱量で、フィールディーとマンキーは職人のようにそれぞれベース/ギターを操っている。新加入のレイは、既に何年もメンバーとして活動していたかのような余裕を見せている。
日本盤ブックレットには、日本のファンに向けたメンバー直筆のメッセージが記されている。バンドは、アルバムリリース後10月にラウドパークのヘッドライナーとして来日。3人から4人体制に戻って、時期的にバンドが少し落ち着いてきたのではないだろうか。
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