コーン(KoRn)『MTV Unplugged』
コーンは、2006年12月にMTVアンプラグドに出演している。音源はCD化されているものの、映像はDVDになっていない。しかし、以前BSかCSで放送されていたのを録画していて、引っ張り出して観てみた。
収録時間が50分にも満たないのが少し物足りないが、ふだん爆音で蹴散らしているコーンとは違う一面を確認できる。このときメンバーはヘッド脱退後の4人だったのだが、ドラムのデイヴィッドは不参加で、ジョナサン、マンキー、フィールディーの3人にサポートという編成。後にデイヴィッドは脱退するので、このとき既に予兆はあったのかも。
オープニングがいきなり『Blind』なのだが、原曲の印象的なイントロはここではなく、シンプルなアレンジに置き換えられている。がしかし、バンドがこのライヴを単なる収録には終わらせないという意気込みが伺える。キーボードやピアノ、ストリングス、和太鼓などのサポートを動員。みなマスクをつけていて、コーンの3人だけが素顔を出している。
ゲストも豪華だ。『Freak On A Leash』にはエヴァネッセンスのエイミー・リーが参加し、ジョナサンと見事なハーモニーを見せている(2004年のソニックマニアでは、コーンがトリでその前がエヴァネッセンスだった)。そして、終盤の『Make Me Bad / In Between Days』では、キュアーのロバート・スミスが登場している。合間には、エイミーとロバートのインタビューも挿入されていて、オファーを光栄に思っていたことや楽しんで参加できたことなどを語っている。
そして、なんとレディオヘッドの『Creep』をカヴァー。正直、アレンジは微妙だが(笑)、チャレンジする姿勢は評価されるべきかなと思う。演奏に入る前のジョナサンのMCを聴くと、自身の辛い少年時代とこの曲の歌詞や世界観がオーバーラップしたらしい。サビ直前の、原曲ではジョニーがギターをガコンとかき鳴らすところは、サポートがピアノの弦を操って鈍い音を出していた。
ドラムがレイ・ルシアーに落ち着き、脱退したヘッドが復帰した今となっては、この時期のコーンはかなり不安定で危うい状態だったのではと思ってしまう。しかし、彼らは解散という選択をせず、何が何でも続けるという強い意志を以って、音楽に向き合っていたのではないだろうか。
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