ボブ・ディラン(Bob Dylan)、フジロック’18出演決定
情報解禁が3月16日0時と定められていたのだろう。フジロック公式サイトをはじめ音楽関連サイトで、ボブ・ディランがフジロックに出演することが発表された。Yahooニュースにもなり、朝のテレビでも取り上げられていた。こうまで騒がれるのは、おととしディランがノーベル文学賞を受賞しているからだろう。
個人的には、喜びや驚きなどの感情を爆発させることもなく、あ、決まったんだなと冷静に受け止めている。というのは、フジロックのプロモーターがディランを呼びたいという意思表示をしているのを知っていたし、過去にはプロモーターの社長がイベントか何かでディラン決まったと言い切ったのに結局ぽしゃったという顛末も見ていたからだ。つまり、あまりに突然のことでもなく、伏線はあったのだ。
もちろん嬉しいは嬉しいが、ちょっと複雑な気もしている。というのは、2014年と2016年の来日公演を体験した限りでは、セットリストが21世紀以降の曲やトラディショナルのカヴァーを中心にしていて、代表曲は『Tangled Up In Blue』『Blowin' In The Wind』くらいだからだ。『Like A Rolling Stone』も、『Mr. Tambourine Man』も、『Don't Think Twice,It's All Right』も、『Knockin' On Heaven's Door』も、定番にはなっていない。
現在のディランは、そういうモードになっている。ディランを聴き続けてきたファンであれば楽しめるだろうが、ディランの名前は聞いたことがあって、観たことがないファンにとっては、かなりハードルが高いモードと言える。不特定多数のファンが集まるロックフェスティバル向きとは、言いがたい。といって、ディランが不特定多数向けにシフトしてくるとも考えにくい。2004年のルー・リードがそうだったように、アーティストとファンと舞台が噛み合わない、お通夜のようなステージになってしまう可能性がある。
トーンがネガティブになりすぎたので(笑)、ディランの2017年終盤のライヴのセットリストを確認してみた。すると、『It Ain't Me, Babe』『Highway 61 Revisited』『Desolation Row(個人的にディランのベストナンバー)』『Ballad Of A Thin Man』を演奏しているではないか。同じことを繰り返し続けるのではなく、変化をしている。これぞディラン。これぞロックだ。そして2018年のツアーは来週から始まり、3月4月にヨーロッパをまわるようだ。そこで、2018年型ディランが判明するはずだ。
ケンドリック・ラマー、N.E.R.D、そしてボブ・ディラン。今年のフジロックのヘッドライナーがすべて出揃った。あとは、誰が何日目に出演するのか。客層を考えればディランは2日目にすべきだが、個人的には3日目大トリにしてほしい。そして、初日N.E.R.D、2日目ケンドリックにすれば、N.E.R.Dにケンドリックが飛び入りし共演することも可能になるからだ。
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