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浜田省吾『旅するソングライター(ライヴ映像)』を観た

公開日: : 最終更新日:2022/12/18 CD・DVD・映像

浜田省吾『旅するソングライター』

浜田省吾が2015年から2016年にかけておこなったライヴツアーを集約した映像が、2週間限定で劇場公開されている。こちらを、先日観に行ってきた。

浜田は2015年に10年ぶりのオリジナルアルバム『旅するソングライター』をリリース。同年はホールツアー、翌2016年はアリーナツアーをおこなった。今回の映像は2015年からは大阪フェスティバルホール公演、2016年からはさいたまスーパーアリーナ公演の映像をもとにして、編集されている。

映像の前半は大阪で、アルバム『旅するソングライター』からの曲がほぼ全曲に近い形で演奏される。カメラアングルは結構めまぐるしく変わり、浜田を中心にバンドメンバーを交互に捉え、バックドロップの映像もフィーチャーする。映像は、大自然をバックに浜田がひとりで佇んでいるものがほとんどだ。

後半はさいたま公演の映像で、浜田やメンバーの衣装、ステージセット、客席が縦長になったことなどで、会場が変わったことに気づく。さいたまスーパーアリーナには何度も足を運んでいるが、映像として客観的に観ると会場が巨大だと思わされる。

大阪とさいたまの映像転換になったのは、『夜はこれから』のときだ。女性コーラスのひとり中嶋ユキノとのデュエットといい、テクノ調のメロディーといい、浜田の世界観からすれば異端もいいところだが、攻めの姿勢を失っていないとも言える。浜田は「DJ SHOGO」という卓を前にして歌うのだが、ターンテーブルにはちゃんとアナログ盤がセットされていた(コレは会場では見ることのできないアングルだ)。

ライヴのハイライトは、『旅するソングライター』終盤の組曲の再構築、そして必殺の『J.Boy』だ。シリアスかつシビアな世界観の組曲は、浜田が今鳴らすべき音として描いた、壮大なスケールを以って観る側に迫ってくる。そして『J.Boy』は、1986年にリリースされて以降、マストソングとして歌われ続けたであろう永遠の名曲だ。バックの映像は30年間の浜田の歌う姿がシャッフルされ、ティアドロップのサングラスにバンダナ姿の若き浜田や、比較的現在に近いであろう浜田の姿などが入り混じっていた。

個人的には2015年ホールツアーはチケットが取れず、翌2016年1月の追加公演をなんとか観ることができた。アリーナツアーは横浜アリーナに足を運んだが、これは浜田が体調不良で福岡公演を延期した、その次の公演だった。

実際のライヴでは、楽器の交換や浜田による結構長いMCなどが入るのだが、ここではそれらを除外し演奏を立て続けにすることで、ライヴとしての密度が一層濃くそして深くなる。この映像、いずれはDVDリリースされるとは思うが、劇場の大画面や左右そして後方からのスピーカーによる大音量は、臨場感に溢れている。自宅でくつろぎながらDVDを観るよりは、実際のライヴの追体験に近い感覚だったと思う。

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