ポール・ウェラー(Paul Weller)『Modern Classics On Film 90 – 01』
ポール・ウェラーのソロ活動前半を総括する映像作品集を観た。2枚組になっていて、Disc 1は90年から95年まで、Disc 2は95年から2001年までとなっている。どちらも、ライヴパフォーマンス/PV集/TVパフォーマンス/EPK(レコード会社が用意した、アルバムのプロモ映像)という構成だ。
ライヴは、Disc 1は94年にビデオリリースされ、現在は廃盤状態の『Live Wood』をまるまる収録。これはソロセカンドの『Wild Wood』のツアーで、ワタシはかつてビデオも持っていた。ビデオを買って観たときはウェラーだけに注目していたが、今回はもうひとり注目すべき人物がいた。ギターで参加している、オーシャン・カラー・シーン(OCS)のスティーヴ・クラドックだ。
94年というとOCSはまだ不遇の時代だったはずだが、ここでのスティーヴは嬉々としてギターを弾き、ウェラーのサポート役を立派に担っている。もしかしたら、ここでの活動が翌95年のOCS復活へとつながっていったのではないかとさえ思わせるほどだ。Disc 2のライヴは、『Heavy Soul』期の野外でのフリーライヴ。曲数が少ないのが少し残念だが、スーツに身を包んだウェラーがギターをかきならしながら熱唱する姿は感動的だ。
PVは、特にDisc 1の方に(つまり『Paul Weller』『Wild Wood』の辺り)観たことのないものが多く、新鮮に楽しむことができた。TVパフォーマンスではイギリスのテレビ番組の雰囲気を感じることができ、EPKではインタビューに真剣に答えるウェラーの誠実さが誇らしかった。
この映像の範囲は2001年までとなっているが、この後のウェラーは自らの活動を総括するかのようにライヴでジャムやスタカンの曲を解禁し、またルーツ確認としてカヴァーアルバムをリリース。以降、こんにちまで創作意欲が衰えることもなくコンスタントにあるばむをリリースし、ツアーを続けている。
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