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刑務所のリタ・ヘイワース

刑務所のリタ・ヘイワース/ゴールデンボーイ

アンディ・デュフレーンは妻とその不倫相手殺害の罪で終身刑となり、ショーシャンク刑務所行きに。そこで看守の税金対策に助言して信頼を得、やがて所長の裏金管理を任される。一方で行政に手紙を送り続けて予算を勝ち取り、所内に図書館を開設。受刑者たちに教養を身につけるサポートをする。

アンディは冤罪だったのだが、真犯人らしき男を知るという仲間の受刑者は別の刑務所に飛ばされてしまい、所長に掛け合うも相手にしてもらえない(所長としては、アンディを外に出すわけにはいかなかった)。アンディは、‎ついに刑務所脱獄を決意する。

ホラー作家の巨匠による小説で、この人の中では数少ない(らしい)感動ものだ。主演で映画化もされていて、ワタシは映画の方を先に観て、そして原作を読んだ。映画は大作だが、原作は意外とコンパクトにまとまっていて、ストーリー展開のテンポがいい。

映画は、刑務所内でのよろず屋でアンディの親友でもあるレッドが、ナレーションも務めている。原作もレッドが語り部になっているが、原作と演じる映画のレッドとでは、少しキャラが違う。映画はくたびれた老人、原作はこずるく頭の回転が早い男という印象だ。一方、映画のアンディは、原作のキャラがにじみ出ているように思う。

映画と原作でストーリーはほぼ同じだが、決定的に違うのがアンディにとっての真犯人と思われる男を知る受刑者の扱いだ。映画では、所長に尋問された後口封じのため看守に射殺されてしまう。彼は、アンディが学問を教え、高卒の資格を掴んだばかりだった。ショッキングだが、このことがアンディに脱獄の決意を後押しをするので、映画の方がより自然な流れになっていると思う。

映画のタイトルは『ショーシャンクの空に』だが、原作は『刑務所のリタ・ヘイワース』。リタ・ヘイワースは実在の女優で、アンディがレッドに頼んで入手し、独房の壁に脱獄するために掘り続けていた穴をふさぐためのポスターだった。原作ではその後数人の女性のポスターに入れ替わっていくが、映画ではリタのポスターで通していたと思う。

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