ユリイカ 2016年1月号 特集=『スターウォーズ』と映画の未来
文芸誌『ユリイカ』で、2015年に『スター・ウォーズ フォースの覚醒』公開にリンクしてSF映画を特集したことがあった。
冒頭はJ.J.エイブラムスのインタビューで、『フォースの覚醒』の監督オファーが来たときの心境を語っている。当初エピソード3で完結とされていたのが続編が作られることとなったが、エピソード3の公開が2005年で、エピソード7が2015年。この10年の空白はYouTube登場とその10周年に合致するという指摘は、なかなか面白かった。
エピソード4~6の3部作は評価が高く、一方エピソード1〜3の3部作は評価が低いという論調は、個人的に意外だった。後者はストーリーが破綻していて、でも最後にアナキンがダース・ベイダーの仮面を被ってしまえばそれでOKみたいなところがあって、と書いていた人がいたが、そうかなあ?と思う。ワタシは、どのエピソードがというより、9部作トータルでひとつの作品という見方をしているから違和感を感じているのかも。
話題は『スター・ウォーズ』に限定することなくSF映画全体を取り扱い、考察を広げている。引き合いに出されている作品は、まず『2001年宇宙の旅』への評価が絶大だ。CGなどない時代にクオリティの高い映像を作り上げ、音楽もまるでこの映像のために作られたようにハマっていて、今見ても古臭くなっていない。難解なストーリーは、リピートを喚起させる。
他には『ジュラシック・パーク』や『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、『エイリアン』『ブレードランナー』、トム・クルーズ出演作品、マーベル・シネマティック・ユニバースなどが列挙。そして、CG技術を駆使した極致として『ゼロ・グラビティ』が、その対極として『インターステラー』が、挙げられている。これには納得。ここ数年でSF映画がまた活性化してきているというコメントにも、共感する。去年は『ローグ・ワン』や『オデッセイ』、今年も『エピソード8』だけでなく、『ブレードランナー2049』や『ゴースト・イン・ザ・シェル』など、優れた作品が公開されたしね。
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