コーネリアス(Cornelius)『Sensuous Synchronized Show』
コーネリアスのライヴDVD『Sensuous Synchronized Show』を観た。アルバム『Sensuous』に伴う活動の総決算的なアイテムと思う。2枚組で、計3時間半以上のヴォリュームだ。
【Disc1】
ツアー最終、2008年3月の東京国際フォーラム公演を収録。パッケージがこのときの場内客席になっているのだが、かなりカラフルだ。てっきりCG処理なものと思っていたが、ブックレットを見る限りでは実際に客席に赤・青・黄のシートをかけていたようだ。4人はそれぞれ独立したひな壇に陣取り、横一列に並んでいる。まるでクラフトワークみたい。
個人的には、このツアーはShibuya-AXとリキッドルーム(ゆらゆら帝国との対バン)に行っているが、どちらもライヴハウスだった。国際フォーラムにも他のアーティストで行ったことはあるが、映像として観るとかなり大きな会場に見える。しかし、バンドのパフォーマンスも、映像も、会場に合っている。
このときのベースが清水ひろたかなのは知っていたが、『Star Fruits Surf Rider』の終盤でトランペットを吹いていたのが別の人だったのは、すっかり忘れていた(『Mellow Waves』のツアーでは堀江博久が担っている)。逆に印象深いのは、メンバー全員のところにツリーチャイムがあって、おのおのが適時鳴らしていたことだ。
【Disc2】
テレビ番組出演映像を集約。インストアライヴやスタジオライヴと思しきライヴ映像を、スペースシャワーTVおよびNHK-BSでの『中目黒テレビ』ではさんでいる。前者はシンプルな演奏シーンだが、後者はDVDとして残すに値する内容だ(個人的にも、BS放送を録画し観ていた)。
その「後者」だが、ツアードキュメンタリーということで、合間合間に小山田のインタビューが入っている。ことばで意思を伝えられなくても、映像を導入することでより表現の幅が広がる。といったコメントを出していた。また映像と演奏とのシンクロだが、映像の信号をあらきゆうこがイヤホンで聴きながらドラムを叩いているとのこと。ドラムって、やっぱり重要なんだな。
ライヴ中、客をステージに上げて小山田がその人の手を操ることでテルミンを弾くというコーナーがあり、今回のツアーではエルヴィス・プレスリーの『Love Me Tender』が演奏された。世界各地での模様を切り貼りしてこの曲を流し、それぞれに好リアクションを得ていた。小山田に手をかざされながら、発せられるテルミンの音に歓喜している、オーディエンスの表情がまたいい。
楽屋にマニー・マークが訪れる場面があり、またオーディエンスがライヴを絶賛するコメントが立て続けに流れる中、ちゃっかりカジ・ヒデキが英語でコメントしていた。驚いたのは、ジャクソン・ブラウンが観に来ていたこと。自身の音楽とは異なるものの、コーネリアスのライヴをいたく気に入ったようで、まるで少年のようにはしゃいでグッズを手にしていた。
ジャクソン・ブラウンは先日来日公演をおこなっており、最終の広島の後東京に戻っていたようだ。コーネリアスのスタジオ・コースト公演を観に行ったようで、あらきゆうこが一緒に撮った写真をTwitterにあげていた。
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