コーチェラ(Coachella / DVD)
2006年にリリースされた、コーチェラ・フェスティバルのDVDを観た。海外のフェスというと、レディングやグラストンベリーはBSで放送されたのを観たことがあった。どちらも英国のフェスで、ではアメリカで行われているコーチェラはどんなだろうと思ったのだ。
まず場所だが、カリフォルニアの広大な砂漠の中の敷地を使っている。開催は99年からで、2000年はお休みしていているが、その後は毎年開催。つまり、フジロックより若いフェスだったのだ。時期は99年のみ10月で、2001年からは4月開催に落ち着いている。ステージは5つから6つあるとのこと。日中はかなり暑そうだ。
DVDは2枚組で、1枚目はライヴパフォーマンス。マーズ・ヴォルタ、ベルセバ、ビョーク、ケミカル、ピクシーズ、レッチリ、ホワイト・ストライプスといった辺りは、ワタシも観たことのあるアーティスト。そして観たことのないアーティストについても、それなりに新鮮に楽しんだ。ベストパフォーマンスは、レディオヘッドの『Planet Telex』かな。
2枚目は、インタビューやフォトギャラリーなどで構成。ドレスデン・ドールズの2人がメイクするシーンがそっくり収められていたのは痛快だったし、メキシコから客として来た青年が、英語で一生懸命熱意を伝えようとしていたのも微笑ましかった。ライヴ以外にも、巨大オブジェの展示や自転車アトラクションなどの様子、ゴミのリサイクル回収、キャンプサイトの様子なども収められている。
不満はいくつかある。イギー&ストゥージズが『I Wanna Be Your Dog』だったのは、あまりにもベタな選曲だ。この曲はイギーがソロでも演奏しているし、どうせならストゥージズ再結成したことで演奏された曲(『1969』とか『Real Cool Time』とか)にして欲しかった。オアシスが『Go Let It Out』だったのも同意。2002年に出演しているが、それなら『The Hindu Times』辺りでもよかったのでは。
そして、2枚組ならもっとライヴパフォーマンスを収録してほしかった(収録は1アーティスト1曲)。アーティスト側が許可するしないという問題もあるだろうが、ナイン・インチ・ネイルズやTool、キュアー、バウハウス、シガー・ロスといった辺りも観たかった。
アメリカのフェスというと、オズフェストやロラパルーザ、ワープトなど、ジャンルに特化したフェスが根付いている印象が強く、そうした中でオルタナ全般を扱うコーチェラは、むしろ異端に見える。しかしフジロックに近いと思える点も多く、個人的には親近感を覚えた。
近年は、各地のフェスがウェブでのストリーミング配信をおこなってくれ、自宅に居ながらにしてフェスの模様を堪能できる。コーチェラは、その先駆けでもあったと記憶している。
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