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メメント(2000年)

メメント(2000年)

暴漢に襲われて妻を亡くし、自身もそのときの暴行で10分しか記憶がもたない前向性健忘の男、レナード。妻を殺された復讐を果たすべく、記憶を補完するためポラロイド写真を撮り、メモを書き、中でも重要と思われることは自分の体に刺青として記録する。

レナードに頻繁に連絡をとり、面倒を見ている風の警官(元?)テディ。復讐の相手を見つけるサポートをしてくれる女、ナタリー。しかし彼らは、いずれもレナードを利用していただけだった。

ストーリーは時間軸をさかのぼっていく構成になっていて、一度観ただけで把握するのは結構困難だ。しかし、中盤以降になると不明確だったことが徐々に明らかになり、そして決定打となるのが、レナードが復讐を果たした直後のテディの告白である。

テディは、どうせすぐ忘れるからと真実を話すのだが、レナードの復讐は1年以上前に終わっていて、レナードはそれすら忘れて何度も繰り返し復讐をしていて、テディはその相手をレナードにあてがっていた。というより、そもそも妻は暴漢に殺されたのではなく、前向性健忘のレナードが、糖尿病の妻に繰り返しインシュリン注射をしたことにより亡くなっていた。そしてレナードは、その記憶を以前保険調査員として働いていたときの客サミーに(無意識に)に置き換えていたのだ。

レナードをガイ・ピアース、ナタリーをキャリー・アン・モスが演じている。監督はで、これが長編映画の2作目にあたる。『インセプション』『ダークナイト』で輝きを見せるノーランの、その後を予見させる秀作と言えよう。エンドロールではの『Something in the Air』が流れていて、もの悲しくやるせないラストを後押ししている。

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