ボブ・ディランがやって来た
ボブ・ディランが初来日を果たした1978年、NHKで特番が作られ放送されたことがあった。ワタシはもちろんリアルタイムではなく、アンコール放送されたのを観たことがあった。
番組は、ミュージシャンを始めとするディランの影響を受けたさまざまな人々に対し、作家の村上龍がインタビューしていくというものだった。登場したミュージシャンは、岡林信康、泉谷しげる、沢田研二など。劇作家のつかこうへいや、作家の高橋三千綱などもコメントしていた。
というわけで、ディランその人を掘り下げるという主旨ではなかったのだが、ワタシが狂喜したのはやっぱりディランに関わる映像だ。来日時の記者会見、ディランは途中からサングラスをかけ、面倒くさそうに答えていた。そして公演となり、武道館に入場していく人々。開演を待ちわびて、ディランコールが沸き起こる場内。そして白いスーツ姿に、白塗りで登場したディラン・・・。こんな映像があったのかと、見ていてぞくぞくした。
ディランの見た目、そしてアレンジ変えまくりの演奏などにより、初来日はどちらかというと「否」のニュアンスで語り継がれている。変化し続ける男、ファンを裏切り続ける男、それこそがディランの魅力のひとつでもあるのだが、さすがにこのときは日本のファンはそれを受け入れる域には行っていなかったのかもしれない。
NHKといえば、かつては『ヤングミュージックショー』という洋楽アーティストのライヴを流す番組を不定期に放送していたはずである。以前キッス武道館公演が蔵出しされたことがあったが、眠っている映像を今一度公開してはもらえないものだろうか。
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