*

ブリューゲル「バベルの塔」展に行ってきた

公開日: : 最終更新日:2024/10/05 西洋画

バベルの塔展

上野の東京都美術館で開催されている、ブリューゲル「バベルの塔」展に行ってきた。

順路はB2階からスタート。オランダの美術館から取り寄せた絵画が、展示されていた。絵画の大きさはどれもコンパクトで、15世紀から16世紀にかけて制作された、人々の日常を描いた作品が大半だったと思う。宗教色が結構強いようにも感じた。B1階は、オランダの画家ヒエロニムス・ボスとピーテル・ブリューゲル1世の作品の特集になっていた。

そして1階へ。このフロアは、まるごとバベルの塔がフィーチャー。ピーテル・ブリューゲル1世が手がけた最高傑作で、こんにち世界で認識されているバベルの塔のイメージは、この人の作品によって決定づけられた。実物の絵は歩きながら観ることになっていて、数秒だが堪能した。別のブースには拡大コピーがあったり、5分程度の映像を流すブースがあったりした。これらにより、塔をどのように建築していたのか、また建設中の塔の中での人々の生活、塔の付近の様子などが詳しく紹介された。

バベルの塔とは旧約聖書に描かれた物語のひとつで、ブリューゲルの絵画はそれを視覚化したものだ。実はブリューゲル以前にもバベルの塔を描いた画家はいたそうだが、ブリューゲルによる塔を知った後で観ると、平凡で陳腐にしか見えない。いや、それだけブリューゲルが描いた塔が素晴らしく、突出していたのだ。

個人的には、横山光輝の漫画「バビル二世」のアニメおよび原作で、バベルの塔を知った。作中では、高度な文明を持った宇宙人バビルがはるか昔に地球に不時着。地球人にバベルの塔を作らせ、時代を越えて素質を受け継いだ日本人の少年が塔を継承。塔はハイテクコンピュータで制御され、人工の砂嵐を起こして所在地がわからないようになっていた。その外観も、ブリューゲルが描いた塔をモデルにしている。

ブリューゲル「バベルの塔」展は、7月2日(日)まで開催されています。

ブリューゲル「バベルの塔」展 公式サイト

関連記事

モネ 連作の情景

『モネ展(モネ 連作の情景)』に行って来た

上野の森美術館で開催されている、『モネ展』に行って来た。 チケットは完全日時指定で、平

記事を読む

ウィリアム・アドルフ・ブーグロー『小川のほとり』

国立西洋美術館、常設展も堪能

「キュビスム展」目的で足を運んだ国立西洋美術館だが、常設展も併せて覗いてきた。   この

記事を読む

「怖い絵」展

「怖い絵」展を観に行ってきた

上野の森美術館で開催されている、「怖い絵」展を観に行ってきた。ドイツ文学者の中野京子が200

記事を読む

メトロポリタン美術館展

メトロポリタン美術館展に行ってきた

国立新美術館で開催されている、「メトロポリタン美術館展」に行ってきた。チケットは完全日時指定

記事を読む

キュビスム展 美の革命

「キュビスム展 美の革命」を観に行ってきた

上野の国立西洋美術館で開催されている、「キュビスム展」を観に行って来た。 「キュビスム

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑