攻殻機動隊Stand Alone Complex / Solid State Society
攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIGの後になる長編作品が、『Solid State Society』だ。時間軸としては、2nd GIGから2年後の2034年が舞台。草薙素子は公安9課から姿を消したことになっていて、バトーはリーダーの要請を断り、トグサが新しいリーダーとしてチームは再始動している。
テロ工作員が次々に自殺する事件が発生し、公安9課は捜査を進めるうちに、「傀儡廻」なるハッカーが裏で動いていることがわかる。バトーは操作を続ける中で素子と遭遇し、「Solid Stateには近づくな」という忠告を受ける。バトーは、「傀儡廻」の正体は素子ではないかと考えるようになる。
少子高齢や介護といった、現代社会でも問題視されていることがテーマにある。というか、テクノロジーが発達しつつ、ワタシたちが年老いていけばこのような世の中になるのでは、というひとつのモデルを提示している。Solid Stateとは、虐待された児童を誘拐して電脳・義体化を施し、戸籍を改竄して高齢者の養子として登録。高齢者の死後、その遺産で生活するというシステムのことだ。ひとり暮らしの高齢者を介護し、虐待された児童は自活できるという仕組みの構築だ。一見正しいことをやっているようにも思われるが、9課課長の荒巻は犯罪だとバッサリ切り捨てる。
2nd GIGとSolid State Societyとの間には2年の時間があり、この間に何かが起こって素子は失踪している。ちょっとだけ、映画版の『Ghost In The Shell』~『イノセンス』のくだりを思い起こさせる。「傀儡廻」は「人形使い」とダブるしね。ただし、今回素子は中盤以降で9課と合流し捜査を進めている。
関連記事
-
-
攻殻機動隊S. A. C. 2nd GIG Individual Eleven
全26話で放送された『攻殻機動隊Stand Alone Complex』の好評を受け、続編が
-
-
『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』を観た
電脳や身体能力が驚異的に向上した、ポスト・ヒューマン。そのひとりであるミズカネスズカの襲撃を
-
-
イノセンス(2004年)
2032年。少女型のアンドロイド(劇中ではガイノイドと呼ばれている)が暴走して人間を殺害する
-
-
士郎正宗『攻殻機動隊』
押井守監督の『GHOST IN THE SHELL』『イノセンス』、神山健治監督の『Stan
-
-
『攻殻機動隊SAC_2045 持続可能戦争』を観た
世界中の国家を脅かす経済災害「全世界同時デフォルト」とAIの進化により、世界は持続可能な戦争