化石の荒野(1982年)
刑事の仁科は何者かに罠にかけられ、殺人犯の汚名を着せられる。罠にかけた組織からは、警察から守る代わりに各地の山々を探る一味を監視し報告するよう持ち掛けられる。一味(そして組織も)が探しているのは、終戦時のどさくさにどこかに隠されたとされる金塊であり、実は、そのありかを知る手だてと、仁科自身の出生の秘密とが絡んでいた。
日本でのメディアミックスの元祖とも言える角川映画作品で、北へ南へとかなり大掛かりなロケを敢行し、クライマックスの銃撃戦も結構な迫力だ(『荒野の1ドル銀貨』まんまだとか)。西村寿行原作小説の映画化とのことで、活字ならばストーリー展開で押し切れるところも、アクションシーンの迫力や臨場感を映像で表現するとなったとき、日本映画ではどうしても稚拙に見えてしまう。ただ、出来栄えはさておき(笑)、そこに挑戦し続けた角川映画の勇気は称えたい。
刑事の仁科に渡瀬恒彦、友人の記者に川津祐介、謎の女に浅野温子。他にも夏八木勲など角川映画お馴染みの顔ぶれが見える中、ストーリーとは別に注目なのが、序盤の警察での記者会見シーン。室田日出男や加賀丈史、そしてなんと角川春樹も確認できる。
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