地球が静止する日(2009年)
宇宙から光る球体が世界各地に飛来。ニューヨークのセントラルパークに着陸した球体からは、一体の生命体とロボットが登場する。取り囲んでいた兵士のひとりが誤って発砲してしまい、生命体は負傷。蘇生処理を施すと、灰色の皮がはがれ落ち、中から人間とほぼ変わらぬ見た目の男が姿を現した。男はクラトゥと名乗り、「地球を救うために来た」と話す。
クラトゥをキアヌ・リーブス、クラトゥと直に接する女性科学者ヘレンをジェニファー・コネリー、大統領補佐官をキャシー・ベイツというのが、主な配役。キアヌは感情を表に出さず冷徹な宇宙人を演じ、ジェニファーは、人類を救うためにクラトゥを説得する任を担う一方、亡き夫の連れ子ジェイコブとうまく接することができないことに悩むという、難しい役どころをこなしている。キャシー・ベイツは、決断力と統率力に優れた指導者で、キャラの強さが生かされている。監督は、現在公開中の『ドクター・ストレンジ』も手がけているスコット・デリクソンという人だ。
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クラトゥが「地球を救うために来た」と言ったのは、人類を救うという意味ではなく、危険な生命体である人類から地球を救うという意味だった。ヘレンや、その師である教授のことば、そしてジェイコブの姿を見ながら、最後は人類に可能性を見出すことになる。ジェイコブが死んだ父を慕う場面が何度も出てくるのだが、「なぜ」慕うのか、そもそもこの父とはどういう人だったのか、なぜヘレンはこの男と結婚したのか、というところまで描かれていないのが少し残念だった。
この作品はリメイクで、1951年に最初の作品が公開されている。時代から考えて、技術的にはシンプルな仕上がりと思われるが、コチラもいずれ機会があれば観てみたいと思っている。
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