ジェフ・ベック(Jeff Beck)『Rock & Roll Party: Honoring Les Paul』
ジェフ・ベックが2010年に行った、レス・ポールのトリビュートライヴの映像を観た(CD版もリリースされる)。
会場はニューヨークのこぢんまりとしたジャズ系ライヴハウスで、200人も入れば満員というキャパシティ。偉大なギターの開発者であり、作曲家やプロデューサーでもあったレス・ポールは、毎週ココでギターを弾いていたとのことで、ジェフはレス・ポール生誕の日にこのステージに立った。
ジェフはブルーの衣装をまとい、ステージ向かって左に陣取って曲毎にギターを替えながら丹念に弾いていた。この人のライヴを何度か観ているが、だいたい1本のギターでライヴをやり切ってしまう。曲に合わせてギターを替えるのは、レス・ポールへのリスペクトだ。フィンガー・ピッキングも、手に取るようによく見えた。
演奏はロカビリー、カントリーなどのオールディーズで、エルヴィス・プレスリーの曲も演奏したかな。ヴォーカルはダレル・ハイアムという人が務め、バンドもこの人の仲間らしい。ゲストも何組か登場。ダレルの夫人でシンガーの、イメルダ・メイ(この共演が縁になったのか、この人はジェフの『Emotions And Commotions』にも参加している)。2010年のフジロックにも出演したという、トロンボーン・ショーティ。たまたま近くでライヴをしていたので思わず招いたという、ゲイリー・US・ボンド。そして、ブライアン・セッツァーだ。
ボーナス映像も豊富だ。まずは、機材搬入からリハーサル風景などを捉えた、ドキュメンタリー。ファンのコメントが入り乱れる中、アラン・トゥーサン、スティーヴン・ヴァン・サント、ニルス・ロフグレンなどの姿も確認できた。日本人の客もいて、一瞬だがインタビューに答えていた。
インタビューは、今回のライヴのことに留まらず、ジェフの少年期、ギターや音楽への目覚め、エリック・クラプトンやジミー・ペイジについてなど、この人のキャリアを総括するような興味深い内容だった。また、自宅のギター倉庫にて本人がギターを1本1本手にとって解説。コレ、ギターマニアにはたまらない映像では?ジェフとレス・ポールは、1983年にビリー・スクワイアがホストを務める番組で共演していて、そのときの映像もあった。
ジェフ・ベックというと、ストラトキャスターでトレモロアームを駆使し、という映像がまず頭に浮かび、レスポールというイメージはなかった。しかし調べてみると、ジェフ・ベック・グループや『Blow By Blow』の頃は、好んでレスポールを使っていたのだそうだ。
関連記事
-
ジェフ・ベック(Jeff Beck)@Zepp Tokyo 2015年9月25日
地方ではされていたと思われるが、ジェフ・ベックが東京でライヴハウス公演を行うのは、恐らく今回
-
「ジェフ・ベック 超人的ギタリストの伝説」を読んだ
現在73歳、老いて枯れるどころかますます研ぎ澄まされていく印象すらあるギタリスト、ジェフ・ベ
-
ジェフ・ベック(Jeff Beck)@東京ドームシティホール
個人的に4年ぶりとなるジェフ・ベックのライヴ。会場は、4年前と同じ東京ドームシティホールにな
-
ジェフ・ベック(Jeff Beck)『Japan Live Session 1986』
86年に軽井沢の野外ステージで行われた、ジェフ・ベック、スティーヴ・ルカサー、サンタナのジョ