アンストッパブル(2011年)
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最終更新日:2023/10/18
デンゼル・ワシントン クリス・パイン, デンゼル・ワシントン
操車場にて、ブレーキをかけ損なった貨物列車が無人で暴走を始め、貨物には化学物質やディーゼル燃料などが搭載。鉄道会社や警察による抑止策も実らず、暴走する列車をメディアが生中継する中、現場近くを貨物列車で走っていた機関士フランクが異変に気付き、暴走列車を後方から追いかけて連結させ、ブレーキをかけて止めることを試みる。追いかける列車には、その日車掌として着任したばかりのウィルも同乗していた。
2001年に実際に起こった列車暴走事故をベースとして、脚色した作品だそうだ。暴走する列車や、ヘリコプターやクルマで列車に近づいて飛び乗ろうとするときの映像としての臨場感は圧巻で、どうやって撮影したのだろうと思わされる。実際に列車を走らせての撮影もしたのだろうが、列車が傾き脱線しかかったりするところなどは、やはりCGを使ったと考えざるをえない。列車からクルマに飛び降りたり、列車の上を走ったりするシーンもあるが、これらはスタントが活躍しているのだろう。
暴走を必死で止めようとする、さまざまな人たちの間にあるドラマも、よくできている。フランクは勤続28年のベテランだが、ほぼ強制的な解雇を言い渡されたばかり。妻を4年前に亡くし、娘が2人いるが、長女の誕生日をうっかり忘れて言い訳する始末。ウィルは妻の浮気を疑ってしまい、それが誤解とわかったものの調停となってしまい、息子に近づけない。2人は当初ウマが合わなかったが、共に危機に立ち向かう中で意思を通わせる。管制室にて指揮するコニーは、会社の利益を優先する上層部を退け、列車を止めるために2人に適切な指示を出す。
フランクをデンゼル・ワシントン、ウィルをクリス・パインが演じ、監督はトニー・スコット。デンゼル・ワシントンはさすがの重厚な演技を見せ、クリスは『スター・トレック』のときと同様、次代を担う若き役者としての光を発している。トニー・スコットといえば、空の『トップガン』、陸の『デイズ・オブ・サンダー』が思い浮かぶが、今回は実話がもとになっていることと、列車という、より一般人になじみの深い乗り物が適用されていることで、観る側としては感情移入がしやすかった。2010年のチリの事故も映画化されるそうだが、こんなふうになるのかな、なんて想像してみた。
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