ボブ・ディラン(Bob Dylan)、ノーベル文学賞を受賞
日本では熱狂的ファンによる村上春樹の受賞が待たれているノーベル文学賞だが、昨夜、ボブ・ディランの受賞が発表された。個人的には、受賞したことに驚きはなかった。数年前から、毎年秋になると噂になっていたからだ。
むしろ、驚いたのは今朝になってからだ。テレビのニュース番組が、軒並みトップ扱いで受賞の報道をし、ディランの映像を流している。地上波で海外アーティストの映像が流れるのはかなり珍しいが、今回の騒ぎはぶっちぎっている。大江健三郎が文学賞を受賞したとき、ここまで騒いでいただろうか。
ディランはもちろんミュージシャンであり、自伝の執筆こそあれど、作家業を生業とはしていない。今回評価されたのは、ディランが書く歌詞についてで、「米国音楽の伝統に、新たな詩的表現を創造した」とのことだ。ディランの歌詞は時にはメッセージ性を強くし、時には難解でもあり、ダブルミーニングと思われることもある。そして、そんなディランに影響を受けたミュージシャンは数知れない。
現在75歳のディランだが、今年も精力的にツアーをおこなっている。今年4月の来日公演も、記憶に新しい。現地時間13日20時に受賞後初となる公演が行われたが、賞について触れることはなかったそうだ。やっぱり。というか、そういう人だ。
ボブ・ディランのことを全く知らなかった人、あるいは名前を聞いたことがあるくらいの人でも、今回の件を機にこの人に興味を持ってくれればいいかなと思う。オリジナルアルバムの数が膨大で、ベスト盤だけでも何種類もあるディランだが、個人的に初心者にオススメしたいのは『Bob Dylan's Greatest Hits』という、60年代のベスト盤だ。ここにディラン代表曲の大半がが入っていて、その後オリジナルに行くなり70年代のベスト盤に行くなりすればいいと思うからだ。
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