Cocco、沖縄ゴミゼロ大作戦ワンマンライブ(2006年8月15日)
首相が靖国参拝した61回目の終戦記念日、coccoが自身の出身でもある沖縄でライヴを行った。これがWOWOWで生中継された。
会場は宜野湾市にある公園の野外会場で、日比谷野音と同等のキャパシティに見えた。中継は7時から始まり、約3分後にライヴがスタート。沖縄はさすがに陽が長い様子で、このときはまだ辺りは明るかった。それがライヴが進むに連れて少しずつ暗くなり、30分くらいで陽が落ちた。
個人的にはこの前の週に武道館でCoccoを観たばかりなので、そのときのことが随時頭によぎった。武道館ではシンガーであるCoccoが歌うことの喜びを噛み締め、それが周囲に波及していた。しかしこの日のライヴは、武道館のときとは真逆の雰囲気で進んだ。まずセットリストの1/4が変更され、「沖縄仕様」になっていた。前半では、沖縄のことばで歌われる『コンポジションA』、ゴミゼロの『Heaven's Hell』からという『道なき道』、『サングロース』のラストナンバーである『コーラルリーフ』、『クムイウタ』からの『Raining』などが披露された。そして、終盤では『風化風葬』が。
MCは数回に渡ったが、注目はゴミゼロ大作戦についてCoccoが語ったときだった。ゴミゼロはCoccoが2003年に始めたことで、日本人が戦争や平和について最も考えるであろう終戦記念日に、まず自分の足元に落ちてるゴミを拾おうと呼びかけた。これはこれで一定の成果を出したのだが、Coccoの思わぬ方向へと肥大して、彼女はそのことにひどく戸惑ったようだ。自分がエコ運動の広告塔として利用されているのに気づき、またチャリティイベントに出て欲しいという依頼も来たそうだ。そこで彼女は原点に還り、自分ができることとして「歌う」ことを選択した。もうひとつは、戦争についてだ。久々にひめゆりの塔に行ったこと。おばあちゃんに戦争のことを1度だけ聞いたことがあること。過去にこの国で起こった恐ろしく悲しい出来事を、私たちは知りそして語り継ぐ必要があるのだと、Coccoは言った。
以前のCoccoは、自分のライヴを映像として撮られることを嫌がっていた。死ぬ思いをして歌っているのを、冷静に見られたくないと言っていた。なので、この公演が生中継されると聞いて、当初ワタシは首をかしげた。しかし、ゴミゼロと戦争のことを彼女が語ったとき、このライヴがなぜ生中継された(されなければならなかった)のかを、ワタシは理解した。
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