機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) (2)
『ファースト』から見続けてきた者として、『UCガンダム』にてミネバが表舞台に出てきたのは、とても感慨深い。
今回、劇中では16歳だが、ファーストのときはビグ・ザムで出撃する直前に父ドズルに見守られた乳児だった。『Z』では7歳にしてジオンの君主たるも、ハマーン・カーンに担がれる哀れな役どころだった。『ZZ』のミネバは、後に影武者とわかった。『逆襲のシャア』では全く登場しなかった。
16歳でありながら芯が強く、佇まいには品がある。窮地に陥っても、うろたえることもない。ラス前では、ラプラスの箱の正体を全世界に向けて公表する。今までギレンやシャアがやってきた演説者の役を担うのが、今回はなんと彼女だ。いやあ、ミネバ大きくなったなあ、立派に育ったなあ、と、まるで自分が保護者にでもなったかのような眼で、彼女を見てしまう。
キーとなるキャラクターは、ほかにもいる。ネオ・ジオンの残党「袖付き」を率いるフル・フロンタルは、仮面をつけ、赤いモビルスーツを乗りこなし、シャア・アズナブルの再来と呼ばれる。シャア本人と全く同じセリフを言い、シャア本人でなければわからないことも口にする。しかしその正体は人工ニュータイプで、時折シャアの残留思念が乗り移っていたとのことだ。
「袖付き」の女性モビルスーツパイロット、マリーダは、バナージのUCガンダムと戦ううちに共鳴するようになるが、アナハイム社によって再度強化させられ、黒いUCガンダムに乗ってバナージや連邦に立ちはだかる。しかしガンダムイコール敵とインプットされていたこと、バナージと上官であり養父でもあるジンネマンの訴えにより、正気を取り戻す。
ロンド・ベルのリディ・マーセナスは、連邦政府の有力政治家の家系だが、反発してモビルスーツパイロットになる。バナージと一度は共闘もするがやがて憎悪の念に支配され、そしてバナージと敵対(その裏にはミネバとの失恋と、彼女の心が常にバナージに向いていることへの嫉妬がある)。しかし、身を挺したマリーザの死によって正気を取り戻し、再びバナージと共闘する。
ジンネマンはビスト財団との「ラプラスの箱」譲渡の交渉を託され、物語のほぼ最初から最後まで登場する。自身は連邦の攻撃で家族を失っていて、悲しい過去を持つマリーザを養女として引き取り、常に自分の目の届くところに置いていた。地球ではバナージと行動を共にし、大人の男としてバナージに接する。
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