ルーヴルNO.9
ジブリの大博覧会の隣で開催されていた、『ルーヴルNO.9』も併せて観に行ってきた。
フランスにはバンド・デシネ(BD)と呼ばれる独自のマンガ文化があるそうだ。そしてルーヴル美術館が、マンガを通してルーヴルの魅力をより知ってもらおうっというプロジェクトを立ち上げ、フランス内外のマンガ家にオファー。「NO.9」とは、マンガを9番目の芸術と位置づけているとのこと。
最初に3分程度の映像を観て、そしてスクリーンの奥のドアがオープン。展示ブースとなる。マンガ家は、全16名。ルーヴルをテーマにした、作品の原画が展示されている。日本人マンガ家も何人かいた。『ピンポン』の松本大洋、『テルマエロマエ』のヤマザキマリなど。
しかし、ワタシにとっては何と言っても荒木飛呂彦だ。荒木はルーヴルからのオファーを受け、ルーヴル美術館に実際に行って取材。ルーヴル側は協力を惜しまないという姿勢で、休館日には地下に潜るなど、ふだんなかなか行けないところにまで行き、それが作品に生かされている。展示作品をストレートに描くのではなく、キャラクターに展示作品のポーズをさせているという組み込み方は見事だ。
そうしてできあがったのが、『岸辺露伴ルーヴルへ行く』。ジョジョ第4部に出演し、屈折した性格ながら不思議と人気があるキャラクターだ。荒木は既存のキャラクターを流用することで物語の展開をやりやすくしたと言い、単体の作品でありジョジョのスピンオフにもなっていて、うまい具合に仕上がっている。読み切りにしては長いページ数になり、まずフランス語版として出版。後から邦訳版ができたとのことだ。
『ルーヴルNO.9』は、9月25日まで開催されています。
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