CROSSBEAT Special Edition プリンス
クロスビートのプリンスムック本を読んだ。宣伝文句によると、徹底してアルバムに拘ったとのことで、CDリリースはもちろんのこと、公式サイトから配信オンリーでリリースされたアルバムも解説。プリンス・ファミリーをはじめ、曲提供やプロデュースをしたアーティストもフォロー。トリビュートアルバムも紹介している。
後半は、インタビューが中心だ。日米の、プリンスと実際に仕事をした人のコメントが中心になっている。リアルタイムでクロスビートで読んだ記事が多かったが、読んだことのない記事では、92年の来日時にレコーディングしたときのエピソードが興味深かった。
そんな中、プリンス本人のインタビューも収録。96年と99年は、プリンス自身比較的インタビューに答えていた時期なのでまだわかるが、『Dirty Mind』期の81年のインタビューには驚いた。当然話題は歌詞や奇抜な衣装に及ぶが、プリンスはさらりと受け流す。一方で、レコーディングについては熱く語っている。
映像作品については、主演映画3本のみにとどまっている。これは不満。DVD作品はいくつかあるし、VHSオンリーながら貴重なアイテムもあったはずなのに。ワタシが買って読んだクロスビートのムック本は、映像作品に対して手薄すぎる。
プリンスの死以降、ピックアップされるのは80年代ばかりで、それが不満だった。確かにセールス的に最も成功したのは80年代になるのだが、90年代も2000年代も、この人の創作意欲は衰えてはいなかったし、質の高い音楽を発信していたはずだ。ただその一方、権利関係の絡みなのか、現在廃盤で入手困難になっている作品も結構ある。改名したり戻したりというのもあったしね。
個人的には、CDリリースされたアルバムは全て持っているが、配信限定は持っていない。プリンスの死を機に、と言ってはよろしくないのかもしれないが、追悼記念でこれらが何かの形で再リリースされるのではという、淡い期待を持っている。『Crystal Ball』を、ネット通販限定で付与される『Kamasutra』付きで持っているのは、ちょっと自慢だ。
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