プリンス(Prince)『Live At The Aladdin Las Vegas』
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最終更新日:2023/02/12
DVD・映像 プリンス, レッド・ツェッペリン
2002年12月に行われた、プリンスのライヴDVDを観た。この年プリンスは、前年にリリースしたアルバム『The Rainbow Children』にリンクしたワン・ナイト・アローン・ツアーを行っており、この収録日のひと月ほど前には、6年ぶりとなる日本公演も実現。ワタシも、2公演に足を運んでいた。
商品化するということもあったのか、バンドメンバーにはシーラ・Eがパーカッションで参加しており、またニッカ・コスタが1曲でゲスト出演。彼女の曲では、プリンスはギターやコーラスに徹している。収録時間は約80分で、正直ライヴの素晴らしさが凝縮されているとは言い難い。このときのプリンスのライヴは最低でも2時間は行われていたはずで、ライヴの中で重要なポイントを占めていた曲が、このDVDからは外されているのだ。
自らドラムを叩いていきなりオーディエンスを熱狂の渦に巻き込んだオープニング、いつ終わるとも知れないギターソロを延々と繰り広げた『Purple Rain』などがそうだ。曲間にはイメージ映像が挿入されていたりして、つまりライヴの熱気をそのまま伝えることはあまり狙っていないようだ。
『The Rainbow Children』はジャズテイストの濃い作品であり、バンドにもホーンセクションなどが起用されていて、音楽そのものを伝えようという意気込みが感じられる。自身の曲はもとより、ジェームズ・ブラウンやレッド・ツェッペリンのカヴァーなどもあって、リラックスしてギターを弾いているプリンスの姿を確認できる。
ワタシは89年からプリンスの日本公演を観続けてきているが、それまでのツアーにおいては、プリンスは超人でありスターでありカリスマであった。しかし、このときのツアーではひとりの人間として純粋に音楽と向き合い、またオーディエンスとも向き合っていた。そんな印象を持っている。
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