アンダー・ザ・チェリー・ムーン(1986)
フランスのリゾート地にやってきた、クリストファーとトリッキー。クリストファーはジゴロを、トリッキーはマネー面を担うコンビで、2人は資産家の娘マリーに狙いを定める。当初はカネ目当てだったクリストファーだが、やがて本気でマリーを愛するようになる。一方のマリーも、始めはクリストファーを財産目当てで近づいてきた男のひとりとしか見なかったが、次第に惹かれるように。しかしマリーの父は2人の仲を認めず、クリストファーには悲劇が待っていた。
プリンスが監督・音楽・主演の3役をこなした渾身の作品。・・・ではあるのだが、興行的には大コケし、ラジー賞5部門を受賞し、駄作の烙印を押されて今に至っている。ワタシもかなり前にビデオで観たが、なんてひどい映画なんだと、愕然とした覚えがある。
しかし、DVDで改めて観て、大きな拒絶反応はなかった。そこまでひどい内容でもないように思えた。思うに、公開時はプリンスに対する先入観が世界的に強すぎて、作品の内容が吟味されにくかったのではないか。マルチミュージシャンでトップスターのプリンス。そのイメージとこの作品とは、確かに掛け離れている。
プリンスは、映画や音楽プロモなど映像作品を結構出しているが、この作品は最も俳優に力を入れた作品ではないかと思う。ジゴロの役どころは合っているし、マリーとのやりとりの中で見られる言い回しは、結構洒落ている。トリッキーとの名コンビぶりもいかしている。そのトリッキー役は、『パープル・レイン』でモリス・デイとの軽妙なやりとりが痛快だった、ジェローム・ベントン。この人は、2作品を通じて最も儲け役だったと思う。
特典映像は、PV集。本編はオールモノクロで、エンディングクレジットで『Mountains』のPVが流れるのだが、ココにはそのカラー版がある。『Anotherlover ~』はライヴバージョンで、ワタシは今回初めて観た。パレードツアーの映像なのかな。
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