パティ・スミス(Patti Smith)『Live At Montreux 2005(Blu-Ray)』
パティ・スミスの公式映像は『ドリーム・オブ・ライフ』くらいと思い込んでいたが、調べたら2005年モントルー・ジャズ・フェスティバル出演時の映像がリリースされていた。輸入盤のみ、DVDはリージョン違いで日本国内のプレーヤーでは再生できない模様。しかしブルーレイはリージョンAで、日本のプレーヤーでも再生可能だ。
バンドは、ドラムにJ・D・ドーハティ、ベース&キーボードにトニー・シャナハン、ギターにレニー・ケイ、そしてパティだ。21世紀以降、彼女はコンスタントに来日してくれるようになったが、ほぼそのときのイメージを体感できる。
更には、テレヴィジョンのトム・ヴァーレインもギターで参加。ステージ向かって左後方に陣取り、腰掛けたまま終始うつむき気味でギターを弾いている。これは、2009年のフジロックフェスティバルでも観たことのあるイメージだ。
セットリストはキャリア横断的で、鉄板の『Dancing Barefoot』からエモーショナルな『Free Money』は最初のクライマックスだ。一方でカバーも豊富で、ボブ・ディランの『Like A Rolling Stone』ではレニーに、バディ・ホリーの『Not Fade Away』でトニーにヴォーカルを委ねるなど、リラックスした様子も見られる。
レニーやJ・Dはパンク期からパティを支え続けているが、トニーは活動再開後に加入したメンバーだ。しかし、この人曲によりまるまるキーボードを弾くなど、かなり器用に動き回っていて、こんなにバンドへの貢献度が高い人だったっけかと思ってしまった(ライヴ中、いかにパティばかり観ているかの裏返しだ/汗)。
最大のクライマックスはもちろん『Because The Night』だが、ラストの『People Have The Power』も感動的だった。ジャズフェスティバルにちなんでか、パティはマイルス・デイヴィスやコルトレーンらの名を連呼していた。アンコールのない約83分のライヴだったが、フル収録されたと見ていいのかな。
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