パティ・スミス(Patti Smith)『ドリーム・オブ・ライフ(DVD)』
パティ・スミスの90年代半ばから11年に渡る活動を追ったドキュメンタリー映画で、日本でも2009年に公開されている。劇場にも観に行ったが、DVDも購入し、改めて観た。
画面は、モノクロとカラーが入り交じっている。ステージでのパフォーマンス映像は少なく、バンドメンバーとの楽屋での様子、実家での両親との対話、自宅らしきところでのリラックスした様子(脇にいる猫がかわいい)など、素顔のこの人の姿を垣間見ることができる。ツアーに同行する息子ジャクソンとじゃれたり、娘ジェシーとニューヨークのセントラルパークを散歩するところも。
恐らく97年の初来日時と思われる、日本の様子も収められている。今はなき原宿ホコ天でリーゼントに革ジャンで踊る若者の姿、新幹線の車窓から臨む風景、京都の金閣寺、東京の浅草寺など。今のパティは親日家であることがありありと伝わってくるが、パンク期には来日がなく、活動再開までワタシたちは待たなくてはならなかった。
アーティストと交流する様子も、見かけられる。チベタン・フリーダム・コンサートでのマイケル・スタイプ、トム・ヨーク、ボノ。レッチリのフリーとは、海辺らしきところでお互いクラリネットとトランペットを弾きながら、談笑していた。劇場で観たときには気づかなかったが、パティがポエトリー・リーディングをしているときにピアノ伴奏していたのは、フィリップ・グラスだった。これはアレン・ギンズバーグ追悼イベントで、今回の公演の起源と言っていいだろう。
ワタシが持っているDVDは、特典映像を収録したボーナスディスクつきだ。この特典、かなり日本に特化している。2009年7月にフジロック出演のため来日したパティは、この映画の監督も伴い、プロモーションも精力的にこなしていた。ラフォーレ原宿でのトークイベントでは、ニューヨークについての質問に対し、自分が出てきた頃は夢を追い実現することが可能な街だったが、今はお金持ちの街になってしまったと、憂うように言っていた。アブストラクトな音をBGMにした、日本の町並みを捉えた10数分の映像もある。
またブックレットも、日本のファンへの直筆メッセージが書かれている。ワタシたち日本人のためにここまでしてくれたのかと思うと、たまらなく嬉しい。
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