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ファクトリー・ガール(2008年)

ファクトリー・ガール(2008年)

1960年代半ば。学校を中退し、画家を志してニューヨークに渡ったイーディ・セジウィック。その美貌に心奪われる男性も少なくなく、あるパーティで知り合ったもそのひとりだった。やがてイーディはウォーホルの表現の場である「ファクトリー」に出入りするようになり、実験映画に出演し話題となる。そんな中、イーディの旧友がある人物を彼女に引き合わせる。当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった、ロックシンガーのだった。

イーディは良家の娘ではあるが、厳格で体面を気にする父とは折り合わなかった。ウォーホルとイ-ディとの関係はつかず離れずで、恋仲というよりは娘とその保護者のような関係に見えた。一方ディランとは恋仲にはなるものの、ディランはウォーホルがイーディを仕事上のパートナーのひとりとしてしか見ていないことを見抜き、イーディに警告し彼女の元を離れて行く。そしてウォーホルもイーディを相手にしなくなり、彼女はドラッグに溺れ、経済的にも追い詰められていく。

イーディはドラッグの更生施設に入り、退院し結婚するが、その半年後にオーバードーズで死去。28歳の若さだった。栄光から破滅へと転落していくさまは、なんだかもの悲しい。そしてウォーホルも、ポップアートの巨匠というよりは、周囲の目を気にかけ評判を気にし、常に怯えている悲しい男のように映る。

ワタシはヴェルヴェット・アンダーグラウンドのプロデュースやストーンズのジャケットといった、音楽との接点くらいでしかウォーホルを知らないが、ここでのウォーホルは、自らがゲイであることをカモフラージュするために、イーディやニコを自分の隣に置くようにしていたのではと推測してしまう。この作品はイーディの物語であると同時に、ウォーホルの物語でもあるように見える。

キャストは、イーディにシエナ・ミラー、ウォーホルにガイ・ピアース、ディランにヘイデン・クリステンセン。捨てられボロボロになったイーディがウォーホルに食ってかかるシーンには、シエナの女優魂がにじみ出ている。

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