ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)『Smile DVD – Disc2』
ブライアン・ウィルソンが2004年にリリースしたアルバム、『Smile』。作品にリンクした2枚組DVDもリリースされている。Disc2は『Smile』再現ライヴを軸とし、ボーナス映像を備える構成だ。
パッケージにはロサンゼルス公演としか記載がなかったので、自分で調べた。おそらくだが、2004年11月の公演だと思われる。このときのツアーは2部構成になっていて、第1部がベストヒット、第2部が『Smile』再現ライヴ、そしてアンコールという具合。この第2部を、まるまる収録している。
演奏は『Our Prayer』の美しいコーラスを序章とし、続く『Heroes And Villains』で一気に加速する。この後は組曲風になって次から次へと表現され、場内にはただならぬ緊張感が漂う。
会場はとても狭そうなホールで、椅子席ではあるがステージとの距離感を感じなくてすみそうだ。ブライアンをはじめ、ジェフリー・フォスケットやダリアン・ナハラジャといった参謀、そして各メンバーが、何度もどアップになる。
『Vege-table』ではメンバーがダイコンやニンジンなどを手にして食べる素振りをし、『Mrs. O'Leary's Cow』ではサイレンが響き、ちょっとものものしい雰囲気になる。そしてラストの『Good Vibrations』が終わった瞬間、観客は総立ちになり、歓喜の時を迎えるのだ。
ボーナス映像は、2004年版『Smile』のレコーディング映像。当然だがブライアンが全権を掌握し、各メンバーに細かい指示を出す。絶対に完成させる、成し遂げてやるという強い決意が伝わってくる。
このツアーでは2005年1~2月に来日公演も行われていて、ワタシは中野サンプラザに足を運んでいる。ワタシはビーチ・ボーイズやブライアンのヘヴィーなファンとは言い難く、そのときは目の前で何が起こってるのかについて行けてなかった気がする。時間の経過や繰り返し『Smile』を聴きこむことなどにより、すごい体験をしたのだと思うようになっている。
このディスクを観たことで、改めて、そのときのことが脳裏によみがえってきた。
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