オデッセイ(ネタバレあり)
火星での任務中、マーク・ワトニーは嵐で吹き飛ばされてしまう。チームはワトニーが死亡したと判断し、任務を切り上げて地球への帰途につく。しかし、実はワトニーは負傷はしたものの生きていた。火星にひとり取り残されたワトニーは、次にNASAが火星を訪れる4年後まで生き延びる決心をし、ジャガイモを栽培したり、4年後のチームが到着する位置までの距離や到着にかかる時間を計算する。
NASAはワトニーの死を公式発表するが、衛生写真で基地近辺に動きがあることを発見し、ワトニーが生きていることに気づく。ワトニーは通信機器をつなぎあわせて地球と文字による会話をし、自分が生きていることと、チームの判断は正しく、恨んでいないことを伝える。火星までの到着日数や限りのある食料などの制約がある中、NASAは、ワトニー救出を計画する。
予告編を観たときは、火星に取り残されたワトニーがモニターに話しながら記録する映像がほとんどだったので、ほぼひとり芝居の物語になるのかと思っていた。しかし、実際は火星のワトニーと地球のNASAでそれぞれの動きがあり、後半になると地球に帰還途中のチームも加わる。それぞれが同時進行で救出のために動き、緊張感が観る側にも伝わってくる。
監督はリドリー・スコット。宇宙ものは『プロメテウス』以来と思われるが、映像の美しさは今回も素晴らしい。ワトニーはマット・デイモン、チームのリーダーはジェシカ・チャスティン。2人とも、『インターステラー』に出演している。チームの女性クルーのひとりがケイト・マーラという人だったが、ルーニー・マーラの姉だそうだ。
この作品、言ってしまえば最初から結末がわかっているので、そこに至る過程こそが醍醐味になってくる。ワトニーは孤独に押し潰されることもなく、ジョーク満載でやりとげようとする。リーダーが残したBGMは20世紀のディスコミュージックばかりで、ワトニーにとっては最悪だったらしい(笑)。中盤でデヴィッド・ボウイ『Starman』が流れていたのは嬉しかった。
観ていて、『インターステラー』『ゼロ・グラビティ』が何度も頭をよぎった。いずれも、時代はそう遠くない未来と思われ、似通っているからだろう。
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