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マドンナ(Madonna)@さいたまスーパーアリーナ

公開日: : Madonna

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開演時間の19時に、オープニングアクトのDJが登場して50分ほどプレイ。その後約1時間のインターバルを経て、場内が暗転したのは20時50分過ぎだった。甲冑を身に着けたダンサーたちがステージ上に陣取る中、はなんとステージの上からするすると下りてきた檻の中にいた。『Iconic』‎を歌いながら檻から出るマドンナ。これだけで、場内の空気は一気に変わってしまった。

続く『‎Bitch I'm Madonna』では、かつてのバックも務めたこともあるダンサーAYABAMBI‎がマドンナの脇を固める。マドンナは和風の衣装を着ていて、歌い踊りつつ、少しずつ衣装を脱ぎ捨てて軽装になっていく。『Burning Up』‎では、自らギターを弾きながら熱唱。ステージ中央はダンサー用のスペースとして空けられていて、向かって右にドラムとキーボード、左にギターとベースが陣取るという配置になっていた。

‎マドンナのツアーにダンサーは不可欠だが、今回もやることがすごい。屈強の男性ダンサーたちは、肉体美を惜しげもなく披露。マドンナを担ぎあげたり、マドンナ衣装替えの間に花道で華麗な舞を舞ったり。修道尼のコスプレをした女性ダンサーがポールダンスをし、そのひとりの上に‎マドンナが登って歌う場面も。極めつけは、終盤で花道にポールを立てて、そのてっぺんに陣取ったダンサーたちが、ポールをしならせるのだ。しなりの幅は回を重ねる度に大きくなり、アリーナ席の頭上にまで振りかかりそうな勢いだった。‎‎
‎‎
セットリストはベテランアーティストにありがちなキャリア横断型ではなく、最新作『Level Heart』‎をベースにしている。マドンナは計3回衣装を替え(つまり4種類のバリエーションに)、50年代アメリカン風になったり、マタドール風になったりする。ステージにとどまることはあまりなく、花道での歌と踊りの方がむしろメインだった。アリーナやスタジアムに花道を導入するアーティストは今や珍しくないが、彼らのほとんどはステージ演奏が主で、花道はオプションとして使っている。

マドンナは‎もともとシンガーでありパフォーマーなので、そもそも楽器を演奏することを強いられていない。彼女はそれを逆利用していて、歌と踊りに徹する代わりにステージを自由に使っているのだ。そして時折ギターやウクレレも弾くので、それがオプションとしてうまく機能している。ネット記事で読んだのだが、彼女は年齢による運動量や質の低下を否定しているとのことだ。

‎MCも結構豊富で、もちろんほとんどを英語で話すのだが、「コンニチハ、トキオー」「アリガトウゴザイマス」など、断片的に日本語も交えていた。今回のツアーでは恒例らしい、花道からアリーナ席に向けてのブーケトス、更には本編ラストでのアリーナ席から女性ふたりを花道にあげてお尻をペンペンするなど、客とのコミュニケーションもかなりあった。カリスマとして人を寄せ付けない‎のではなく、フレンドリーなたたずまいを今なお保持していることに、嬉しくなった。

アンコールは、ファーストアルバムから『‎Holiday‎』。もちろん、キャリアを重ねる毎に彼女は変化し進化してきたはずだが、原点からの軸がぶれていないことを示すかのようでもあった。ダンサー全員がステージと花道に陣取り、全てを結集し最後のパフォーマンスを繰り広げるかのようだった。最後に、マドンナはオープニングと同じように、ステージ上部にせり上がっていった。‎

セットリスト
Iconic‎(video interlude)‎
Iconic
Bitch I'm Madonna
Burning Up
Holy Water
Devil Pray
Messiah(video interlude)
Body Shop
True Blue(acoustic)
Deeper and Deeper
HeartBreakCity
Like a Virgin
S.E.X.(video interlude)
Living for Love
La Isla Bonita
Don't Tell Me
Rebel Heart
Illuminati(video interlude)
Music
Candy Shop
Material Girl
La vie en rose(Édith Piaf cover) (acoustic)
Diamonds Are a Girl's Best Friend(Jule Styne cover) (a cappella snippet)
Unapologetic Bitch
アンコール
Holiday‎

今回の公演は、SS席50000円をはじめいずれも高額な料金設定の中、ワタシは最もリーズナブルなB席9000円を入手していた。視線は、マドンナやダンサーたちをステージ左後方上部から見下ろすという格好で、バックドロップの映像は見えず、アリーナに突き出した花道も、吊り下げられたスピーカーでところどころ見えなかった。‎音割れがひどく、MCもほとんど聞き取れなかった。

ワタシが観たポジションは決して恵まれたものではなかったが、それでも10年ぶりの来日公演を十分に楽しませてもらった。終演は23時をまわっていたが、台湾やバンコクでの模様を事前リサーチしていたので、想定の範囲内だ。にしても、彼女のパフォーマーとしての限界への挑戦する姿はすごい。男性アーティストでもくらいだと思うし、女性アーティストとなると前人未踏と言っていいのではないだろうか。‎

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